1:2014/09/24(水) 15:53:52.52 :3rEmmoH90
伊吹「おーっ。P、ほどよくヒマそうじゃん!」
伊吹「よかったらさ、ちょっとアタシの趣味に付き合ってよ」
伊吹「別に大した事じゃないからさ。見てるだけでいいんだ」
伊吹「へへ、たまには外で遊んでみないとね。良い天気だし」
伊吹「それじゃ、広場にゴー!」
伊吹「ほらP、急いで急いで!」
3:2014/09/24(水) 15:59:02.05 :3rEmmoH90
伊吹「じゃーん! スケボーだよ!」
伊吹「Pはやったことないの? 楽しいんだよーこれ」
伊吹「こう、坂をシャーっと滑ったりとかさ」
伊吹「段差に乗っかったり、溝を飛び越えたり……」
伊吹「とりえあえず、見てもらったら早いでしょ!」
伊吹「よーし、気合入れちゃうぞーっ」
4:2014/09/24(水) 16:10:20.76 :3rEmmoH90
伊吹「こんな格好で転んだらケガするって?」
伊吹「あはは! 平気だよ!」
伊吹「これでも結構な腕前なんだよ♪」
伊吹「まーそこで見ててよ!」
伊吹(プロデューサーの前だし、派手に決めるッ!)
伊吹(……いや! それもいいけど───)
伊吹(あえて転んだりしたら、お姫様抱っこされちゃうとか……)
5:2014/09/24(水) 16:18:54.99 :3rEmmoH90
『派手に転んだけど、大丈夫か伊吹?』
『ほら、足を擦りむいてるじゃないか。これじゃ歩けないだろう』
『ダメだ。無理しないで、俺が運んでやるから』
『……いやいや、子ども扱いなんてしてないぞ。だって伊吹は俺の……』
『俺だけのお姫様……だから、な?』
伊吹(……こんな展開もアリじゃない!?)ぽわわ
6:2014/09/24(水) 16:27:35.64 :3rEmmoH90
伊吹(いやいやそれは……いやいやでもでも……)
『傷は大したことないみたいだな……よかった』
『後できちんと、手当てしてやるからな』
『……いや、唾つけただけじゃ治らないだろ』
『それとも……そんな生意気を言う口は、塞いじゃえば治るのかな……?』
伊吹(……こういう展開もアリだったり!?)ぽわわ
7:2014/09/24(水) 16:33:12.21 :3rEmmoH90
伊吹(いやいやこれは……いやいやそれとも……)
伊吹「……ん?」
伊吹「あれ、プロデューサーはどこに……」
伊吹「あっ……やばっ」
伊吹「わっ、わわっ!?」
8:2014/09/24(水) 16:38:58.12 :3rEmmoH90
伊吹「あーあいたた……こんな段差でつまずくなんて……」
伊吹「変なこと考えてるからだよもう……」
伊吹「あ、プロデューサー……ううん、転んだだけだよ」
伊吹「えへへ。ついつい滑り続けちゃって、失敗失敗!」
伊吹「……ん? これ?」
伊吹「あー、転んだときに擦りむいちゃって……」
伊吹「あはは、ただの擦り傷だってば。気にしなくても……」
伊吹「え、いや、本当に大丈夫だってば……!」
伊吹「自分で歩けるって……ちょっと、ちょっ……」
伊吹「わ、わあっ!?」
9:2014/09/24(水) 16:48:06.43 :3rEmmoH90
伊吹「プロデューサー、自分で歩けるからッ……!」
伊吹「じ、事務所まで運ぶつもりなの!?」
伊吹「み、見られるって! 見られてるから!」
伊吹「うう……」
伊吹(さ、されてる……お姫様抱っこされてる……!)
伊吹(これは……予想以上に嬉し恥ずかしい……!)
10:2014/09/24(水) 17:02:03.65 :3rEmmoH90
伊吹「ねえ、P……そろそろおろしてくれても……」
伊吹「ああ……うん。ダメだよね。諦めたよもう」
伊吹「……その、重くない?」
伊吹「そ、そう……それならいいんだけど……」
伊吹「……」
伊吹「……えへへ♪」
12:2014/09/24(水) 17:17:38.84 :3rEmmoH90
伊吹「……あのさ、プロデューサー」
伊吹「……あっ、いやちがっ、降りたいんじゃなくて!」
伊吹「あ、そのっ……あ、あはは……」
伊吹「えっと……少しだけ。少しだけ、遠回りしていかない?」
伊吹「ちょっとだけで、いいから……」
伊吹「……うん。ありがと、プロデューサー♪」
伊吹(……このままどこまでも……)
伊吹(事務所にじゃなくて、もっと遠くまで……)
伊吹(プロデューサーと、ふたりで行けたらいいのにな……)
13:2014/09/24(水) 17:23:24.02 :3rEmmoH90
伊吹「もう事務所なんだ……楽しい時間は、ホントにすぐだよね」
伊吹「あ、ううん。こっちの話……ほら、もう少し頑張れ、王子様♪」
伊吹「ほらほら。早く運んでくれないと、お姫様がイタズラしちゃうよ……?」
伊吹「なーんちゃっ」
奏「あら、ふたりとも。ずいぶん仲良しさんなのね」
伊吹「て……」
14:2014/09/24(水) 17:29:35.87 :3rEmmoH90
奏「お姫様だっこねぇ……羨ましいわ」
伊吹「え、えっ」
奏「ねえ、Pさん。私にもしてくれないかしら……ふふ、冗談よ」
伊吹「あ、あ、ああ……!」
奏「それにしても、伊吹ちゃんも隅に置けないわね」
伊吹「み、見られたーーー!!」
奏「あら……恥ずかしがることないのに」
伊吹「ど、どうして奏が事務所にいるの!?」
奏「アイドルなんだから普通じゃない?」
伊吹「そーじゃなくてぇ!」
15:2014/09/24(水) 17:34:09.83 :3rEmmoH90
奏「それにしても伊吹ちゃん……」
伊吹「な……何?」
奏「ちゃんとあの時、始まってたんじゃないかしら?」
伊吹「なっ!?」
奏「ああ、始まってたっていうのはね……」
伊吹「奏!! ダメだよ!!」
奏「やっぱりダメですって♪」
16:2014/09/24(水) 17:43:33.61 :3rEmmoH90
奏「これなら、私も恋愛映画を見ておくべきだったわね」
伊吹「か、奏にはまだ早いんじゃないっ?」
奏「そうかしら。ならPさんに確かめてもらおうかしら」
伊吹「あ、こらっ」
奏「ねえPさん。私の魅力、確かめて……くれる?」
伊吹「かーなーでー!」
奏「やぁん、伊吹ちゃん怖ーい♪」
伊吹「怖ーい、じゃなーい!!」
奏「逃げるが勝ちね、これは」
伊吹「待ちなさーい、奏ー!」
17:2014/09/24(水) 17:48:42.29 :3rEmmoH90
聖來「ふー、わんことただいまー……ってなんだろ、これ」
伊吹「奏ー! さっきのこと黙っといてよー!?」
奏「あらどうしてー? とっても可愛かったのに、伊吹ちゃん?」
伊吹「どうしてもったら、どうしてもなの!」
奏「お姫様がイタズラしちゃうよ……うふふっ♪」
伊吹「わぁー、わぁぁー!?」
聖來「奏を、伊吹が追い掛け回して……伊吹の後を、Pさんが救急箱持って追いかけてる……?」
18:2014/09/24(水) 17:57:47.03 :3rEmmoH90
奏「あら、聖來ちゃん。お帰りなさい♪」
伊吹「おかえり聖來!」
聖來「あ、うん。ただいま……なにごとなの?」
奏「それはね……」
伊吹「奏!! 絶対ダメだよ!!」
奏「絶対ダメですって♪」
聖來「ま、ますます何事?」
伊吹「知らなくていいから!」
奏「あぁん。伊吹ちゃんのいけず……♪」
伊吹「いけずじゃなーい!」
聖來「あ、Pさん。お疲れ……なんか異様に疲れてない?」
伊吹「え、あっ……ごめんプロデューサー……さっきので……?」
聖來「さっきの?」
伊吹「な、なな何でもない!」
20:2014/09/24(水) 18:13:52.76 :3rEmmoH90
伊吹「もー。奏には困るよ本当に……」
伊吹「いててっ! プロデューサー、消毒液は優しくお願いっ!」
伊吹「ふぅ……あのさプロデューサー、奏の言うこと、真に受けちゃダメだからね」
伊吹「奏はからかって言ってるだけなんだから、調子乗っちゃダメ。わかった?」
伊吹「それにアタシの方がお姉さんなんだし、アタシだってもうちょっと魅力的に……」
伊吹「……そ、そのためにも、ちゃんとアタシのこと見ててくれなきゃ!」
伊吹「アタシとプロデューサーは、どんどん進んでいかないといけないんだからね?」
伊吹「どこまで進むのかって、それは……」
伊吹「ふたりでどこまでも……ねっ!」
21:2014/09/24(水) 18:24:45.19 :3rEmmoH90
おしまい
公式がポワる
良い傾向だと思います
元スレ
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