1: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:22:50.50 ID:qpUq77Vq0
――事務所入り口
清良「今日のお仕事も疲れたわー……」
清良「……っと、駄目ね、私が疲れた顔してちゃ」
清良「とりあえず事務所に戻ってきたし――」
薫「あーーーっ!!!清良さん!!!!」
清良「えっ、何!?」
薫「ドアの前から動いちゃダメだよ!!!」
清良「どうしたの!?」
薫「あいお姉ちゃーーーーん!!!!!清良さん帰って来たーーーー!!!!」
2: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:23:39.35 ID:qpUq77Vq0
清良「何なのかしら……」
ガチャ
あい「フッ、待たせたようだね」
清良「待ったけど……」
あい「とにかく……何だ、その……君を今通す訳にはいけないんだ」
清良「そんな事を言われても……」
あい「……」
清良「……」
3: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:25:12.47 ID:qpUq77Vq0
あい「…………」
清良「…………」
あい「フンッ!!」バキィ
清良「ああ!!どうして壁に頭を打ち付けて……!?」
あい「フフ……頭を怪我してしまったよ……」
清良「見れば分かります!!」
あい「看てはくれないだろうか」
清良「中身を!?」
あい「外側を頼む……」
4: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:26:10.13 ID:qpUq77Vq0
清良「どうしてこんな事を……?」
あい「私達にも折り入った事情があってね」
清良「壁に頭を打ち付ける事情なんて初めて見たわ……」
あい「むっ!?何やら向こうでサッカーをしている晴くん達が怪我をしたような気配が!?」
清良「気配が具体的すぎない!?」
あい「清良、見に行ってやってくれないか?」
清良「分かりましたけど……」
6: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:27:45.17 ID:qpUq77Vq0
―――公園
清良「晴ちゃん!怪我はしてない!?」
晴「そうなんだよ!今さっき転んで膝を擦りむいちまって……」
清良「それはいけないわ、今処置するわね」
晴「……清良さんっていっつもマキロンと絆創膏持ち歩いてんの?」
清良「ええ、誰かが怪我した時の為に」
晴「そうなのか……」
清良「はい、終わり」
晴「えっ!もう!?」
7: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:28:23.52 ID:qpUq77Vq0
清良「何か問題あったかしら」
晴「い、いや、別に……」
清良「?」
晴「(おいありす!今どんくらい時間稼げた!?)」
ありす「(ほとんど稼げてないです!)」
晴「(クッソ……ありす、お前も犠牲になってくれ!)」
ありす「(やむを得ません……)」
8: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:29:11.21 ID:qpUq77Vq0
清良「どうしたの?見つめ合っちゃって」
晴「あ、いや、何でもない、何でも、よっしゃありす!サッカーの続きだ!」
ありす「はい!」
清良「怪我しないように気を付けてね!!」
晴「くらえええ殺人スライディングタックル!!!」
ありす「ゴッハァ!!!」
清良「言った瞬間!?」
9: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:29:52.15 ID:qpUq77Vq0
清良「晴ちゃん!!どうして殺人スライディングなんかを!!」
晴「昨日キャプテン翼読んで……」
清良「明和FCの真似はしちゃ駄目って言ってるじゃない!!」
晴「タイガーショットも?」
清良「当たり前です!!」
ありす「あの、取り敢えず治療して貰っても……」
清良「あら!ごめんなさいありすちゃん!」
10: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:30:30.14 ID:qpUq77Vq0
・・・・
清良「応急処置はできたわ」
ありす「あ、ありがとうございます」
清良「もう危険な技はやっちゃ駄目よ!」
晴「はいはい……」
清良「はいは1回」
晴「はい……」
11: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:31:16.46 ID:qpUq77Vq0
清良「じゃあ私はもう行くわね」
晴「よっしゃサッカーの続きだ!!梨沙!!」
梨沙「ええ!!」
清良(本当に分かってるのかしら……)
晴「くらええええ反動蹴速迅砲ォォォォォ!!!!」
梨沙「アギャアアアアア!!!!」
清良「いい加減にして!!」
12: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:32:05.09 ID:qpUq77Vq0
清良「危険な技は駄目って言ったじゃない!!」
晴「でも明和FCじゃねーし……」
清良「危ない事には変わりないでしょう!!」
梨沙「助けて……」
清良「大丈夫!?」
梨沙「息が……できない……コヒュッ」
清良「梨沙ちゃん!しっかりして!!」
13: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:32:57.13 ID:qpUq77Vq0
・・・・
清良「次やったらボールを没収するわ!いい!?」
晴「ほんとすいません……」
清良「没収した後はお尻の穴に入れます!!」
晴「めっちゃ反省してます……」
清良「じゃあ今度こそ行くわね……」
???「おーーーーーーい!!!清良さーーーーーん!!!」
清良「今度は誰!?」
14: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:33:49.36 ID:qpUq77Vq0
???「助けてくれ……!!!」
清良「涼ちゃん……そこで何やってるの……?」
涼「いやあ、ちょっとさ、7mある照明具から飛び降りてみたんだけど……」
清良「何の為に!?」
涼「ロックを追及しようと……」
清良「バカ!!昔それやった人は骨折したまま歌ったのよ!!」
涼「アイドルやってるお陰で捻挫で済んだよ……」
15: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:34:54.74 ID:qpUq77Vq0
清良「治療はするけど、もう二度とこんな事やっちゃ駄目ですよ!」
涼「すまねえ……」
清良「まったく……アイドルじゃなかったら死んでもおかしくないんだから……」
涼「半端な鍛え方はしてないよ」
清良「反省してるの?」
涼「してる!!してます!!」
清良「結構です」
16: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:35:38.86 ID:qpUq77Vq0
・・・・
真奈美「状況は」
あい「外で稼げる時間は稼ぎ切ったようだ」
真奈美「準備にもう少し時間をかけたいのだがな」
あい「……こうなったら『彼女』を放して事務所を混乱させるしか」
真奈美「ダメだ」
あい「事務所の子達は了承してくれている」
真奈美「大義を見失うな」
あい「っ……」
17: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:36:24.44 ID:qpUq77Vq0
真奈美「そもそも“これ”を企画したのは『彼女』だ、彼女抜きで進める訳にもいかない」
あい「……それも、そうだな」
亜紀「報告であります!事務所にしかけたブービートラップは全て突破されました!!」
あい「待ってはくれないか……」
真奈美「事務所内のみんなへ連絡を。この部屋に来るまでに少しでも時間を稼ぐんだ」
亜紀「了解であります!!」
18: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:37:07.76 ID:qpUq77Vq0
「清良ちゃーーん!!!湿布を貼って貰えなーーい!?」
清良「はい今行きます」
「清良しゃぁん……電球が切れたよぉ~~ぐすっ」
清良「ちょっと待ってね」
「清良さん!!!トイレで水漏れです!!!!」
清良「業者を呼んで!!」
「清良さーーーん!!!!」
清良「今度は何!?」
19: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:38:04.63 ID:qpUq77Vq0
・・・・
清良「疲れた……今日は何なのかしら……」
真奈美「やあ清良くん」
清良「あら真奈美さん、おはようございます」
真奈美「今日はいい日だね」
清良「そうですね、今まで辛いと思ってた日が全然大した事なく思えます」
真奈美「ところで今時間は大丈夫かな?」
清良「ええ、もう今更何があってもいいです」
20: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:38:44.42 ID:qpUq77Vq0
真奈美「そうクサるものじゃないさ」
清良「何をするんですか」
真奈美「この部屋に入れば分かる事だよ」
清良「そうですか……」
ガチャ
「「「清良さん誕生日おめでとーーーーー!!!!」」」パパパパァン
清良「…………!!!!」
22: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:39:22.50 ID:qpUq77Vq0
菜帆「誕生日おめでとうございます~、美味しい料理も沢山ありますよ~」
葵「腕によりををかけたっちゃ!」
肇「あの、プレゼントの湯呑です、よかったらどうぞ……!」
中野「あたしといつきさんからはランニングシューズです!」
星花「今日はとてもめでたい日、心を込めて演奏させていただきますわ♪」
清良「みんな……」
23: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:40:09.04 ID:qpUq77Vq0
久美子「それじゃあパーティーの主催者から挨拶をして貰いましょうか」
清良「え?真奈美さんの発案じゃ……?」
真奈美「私はただの協力者さ」
清良「それじゃあ――」
愛海「清良さん!!改めてお誕生日おめでとう!!」
清良「愛海ちゃん!?」
愛海「えへへ……」
24: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:41:03.94 ID:qpUq77Vq0
清良「愛海ちゃんが企画してくれたの?」
愛海「うん、まあね、準備に手間取っちゃったけど」
清良「じゃあ今日のみんなは……」
愛海「うん、時間稼ぎをしてもらったよ」
清良「そんなわざわざ私なんかの為に……」
愛海「わざわざなんかじゃないよ!!」
愛海「清良さんの誕生日をお祝いするって言ったら、みんなが手伝ってくれたんだ!」
25: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:42:09.48 ID:qpUq77Vq0
愛海「会場の準備も、時間稼ぎも、ブービートラップも、清良さんの為ならって!!」
清良「ブービートラップも!?」
愛海「そうしてたらね、お祝いする側のあたしまで嬉しくなってきて……」
愛海「うまく言えないけど、清良さんの誕生日がお祝いできてよかったよ!!」
愛海「誕生日おめでとう!!これからも優しい素敵な清良さんでいてね!!」
清良「愛海ちゃん……」
愛海「わっ!何!?抱きつかれたらお山が顔に……」
清良「何でもない、わ……」
26: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:42:51.92 ID:qpUq77Vq0
愛海「……泣いちゃった?」
清良「……娘がいたらこんな気持ちなのかしら」
愛海「自慢の娘だね」
清良「バカな子ほど可愛いのよ……」
愛海「えへへ……」
あい「フフッ、それじゃあ今日という日にみんなで乾杯しようじゃないか」
「「「かんぱーーーい!!!!」」」
27: ◆jjEzShkDDk:2015/05/12(火) 21:43:49.33 ID:qpUq77Vq0
清良(それから夢のように楽しい時間は続き……)
清良(素敵な1日は3次会で盛大にゲロを吐いた早苗さんの介抱をしてる内に終わっていました)
早苗「清良ぢゃん……いる……?」
清良「はいはい、ここにいますよ」
早苗「誕生日ぃおべでどぉ……」
清良「何回目ですか」
早苗「嬉しい内に沢山言っどくのよ……」
清良「うふふっ、ありがとうございます」
おわり