1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:33:06.64 ID:RamRIBgA0
P「ふわあ……」
P「仕事のためとはいえ、こういう大規模なパーティはどうも、苦手だな……」
P「ま、ぼやいてても仕方ないけど……」
P「うちのアイドル達は、楽しんでくれてるといいんだが」
P「……ん?」
P「あれは……静香か?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364139186
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:34:40.84 ID:RamRIBgA0
静香「……」
P「どうした静香。退屈そうだな」
静香「あ……プロデューサー」
P「料理ばっか食べてると、太るぞ」
静香「それ、アイドルに言う台詞ですか」
P「冗談冗談。静香は太っても可愛いだろうけどな、ははは」
静香「笑えません。まったく……」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:39:07.53 ID:RamRIBgA0
P「それで? 一人で寂しそうじゃないか」
静香「いえ、別に。やることがないだけです」
P「せっかくこんなパーティにお呼ばれしてるんだ。少しは遊んだらどうだ?」
静香「……私は、アイドルですから。ここで着飾っているより、ステージに立つ方が気が楽です」
P「ん……歌ったり踊ったりしている方が好きか?」
静香「まあ、そういうことです」
P「そうかそうか……」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:42:33.84 ID:RamRIBgA0
P「なあ、もうすぐ社交ダンスの時間なんだよ」
静香「そうですね。プログラム表にありました」
P「その社交ダンス、希望者が前で踊れるんだってさ」
静香「……そうですか」
P「前にステージ、あるだろ?」
静香「……何が言いたいんですか?」
P「今すぐにでも、踊りたい。そんな気分だったよな」
静香「だから、なんですか?」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:46:25.06 ID:RamRIBgA0
───ご来場の皆様。これより社交ダンスのお時間でございます
楽団の旋律に合わせて、心ゆくまでお楽しみ下さい
静香「……何か、企んでいるような顔ですね」
P「分かっちゃうか」
静香「一応、アイドルとプロデューサーですから」
P「……喜んでいいのか、困る言い方だな」
静香「喜べばいいんじゃないですか?」
P「よっしゃあ!!」
静香「わっ!?」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 00:48:32.16 ID:RamRIBgA0
静香「ちょ、ちょっと! いきなり大声を出さないで下さい!」
P「どうして?」
静香「どうしてって、皆こっちに注目してます!」
P「それでいいんだよ」
静香「どういう意味……」
P「じゃあ、はい」
静香「……なんですか。その手」
P「決まってるだろ? ダンスのお誘いだよ」
静香「だ、ダンスの?」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:02:51.86 ID:RamRIBgA0
飛べます
ありがとうございます
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:06:12.77 ID:RamRIBgA0
P「ほら早くしないと、演奏が始まっちゃうぞ」
静香「や、やりません! 私はここで見てますから!」
P「あー、無理だぞ。周りの皆は全員、静香と俺が踊るもんだと思ってる」
静香「なっ……」
P「観念した?」
静香「で、でも……」
P「でも?」
静香「私……社交ダンスは踊ったことがなくて……」
P「はは、それもそうか。まあ、フォークダンスみたいなもんだよ」
静香「わ、分かりません……」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:09:45.57 ID:RamRIBgA0
P「よし。それなら、俺がエスコートするよ。静香」
静香「え、エスコート……」
P「……手を」
静香「あ……」
P「音楽を聴いていればリズムは分かるから。あとは俺の真似をして」
静香「は、はいっ……」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:16:50.42 ID:RamRIBgA0
P「まずはゆっくりでいいからな。音楽を聴いて」
静香「こう、かな……」
P「っと……」
静香「あ、ご、ごめんなさい! 足を踏んでしまって……!」
P「大丈夫大丈夫。焦らなくていいよ」
静香「う……周りに笑われてます」
P「楽しんでくれてるんだよ。静香のダンスをね」
静香「そ、そんなはずが……」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:21:55.68 ID:RamRIBgA0
P「……うん、ステップ踏めるようになったな」
静香「あ、あの……そろそろいいんじゃ……」
P「何言ってんの。これからだよ」
静香「まだするんで……きゃっ!?」
P「演奏のテンポ上がったら、動きも華麗に! さあ、前に出て行くぞー?」
静香「ま、待って、足が絡まって……っ!」
P「皆が見てる。こけたら笑いもんになっちゃうな」
静香「だ、だったらもう少し遅くしても!」
P「頑張れ静香!」
静香「応援はいいですから!」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:25:23.06 ID:RamRIBgA0
P「はは……お客さんが道をあけてくれてるぞ、静香?」
静香「な、なんでですか……っ!?」
P「皆、静香のダンスが見たいんじゃないかな?」
静香「だからって、こんなとこじゃなくても……」
P「そうか? ドレスで装った静香のダンスは、俺も見たいな」
静香「それ、ライブでも出来るじゃないですか……」
P「違うな。確かに、ライブでアイドルとして踊る静香もいいけど……」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:30:36.22 ID:RamRIBgA0
P「俺は、パーティで社交ダンスを踊る、可愛い女の子の静香も、見てみたい」
静香「……なっ」
静香「なんですか……それ。口説いてるんですか?」
P「自分の担当アイドルを口説くプロデューサーが、どこにいるんだよ」
静香「……目の前に」
P「……そんな不届き者はどうしてやろう?」
静香「そうですね……ヒールで思いっきり、踏ん付けるのはどうですか?」
P「はは……今度は踏まないでくれよ」
静香「どうでしょう。まだ慣れてないので。このまま踊り続けてると、間違って踏んでしまうかも……」
P「おいおい……」
静香「ふふ……」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:36:01.75 ID:RamRIBgA0
P「いいぞ……ここでターン。右手をこっちに回して」
静香「はいっ……」
P「よし……このまま、踊りながら移動するぞ」
静香「わかりまし、た……っと」
P「ほら。ステージに上ってくると、ちょっと緊張するだろ?」
静香「……いえ、もう気になりません」
P「なら、このままのテンポでいくぞっ」
静香「望むところです」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:42:09.54 ID:RamRIBgA0
P「周りを見てみ、静香」
静香「え……?」
P「皆が注目してる。全員が、静香のダンスを見てるんだ」
静香「私の……」
P「そうだ。ライブで歌ったり踊ったりする静香もいいけど……でも普段の静香も、また静香なんだ」
P「したくないことも、できないこともあるだろうが……」
P「でも、そういう積み重ねを、大事にして欲しい。静香にとって、大切なことだと思うんだよ」
静香「……プロデューサー」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:47:14.82 ID:RamRIBgA0
P「……もうすぐ、演奏が終わるみたいだ」
静香「なんだか……あっという間です」
P「それだけ、楽しめたってことだ」
静香「……なるほど。それもそうですね」
P「最期は綺麗に決めよう。な?」
静香「ええ。任せてくださいっ」
P「じゃあ、いくぞ……」
静香「せーのっ……!」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:51:29.48 ID:RamRIBgA0
───数日後。
P「……そして、俺達は笑いの渦を巻き起こしたわけだけど」
静香「すみません……私がまた足を踏んだばっかりに……」
P「まあ、気にしてないけどな。むしろ番組出演のオファーが殺到して、良いことだ」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 01:57:00.18 ID:RamRIBgA0
静香「あの、どういう番組ですか?」
P「えっと……ダンス講座、振り付け番組、社交ダンス入門とか」
静香「……」
P「ま、まあ……いいんじゃないか?」
静香「うっ……れ、レッスンしてきます!」
P「ああ、怪我はしないようにな……」
静香「子供扱いしないで下さい! さすがに自分の足は踏みません!」
P「そ、そう?」
静香「すぐ上達して見せます!」
P「頑張れー……」
P(子供だなー……)
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/25(月) 02:03:52.09 ID:RamRIBgA0
おしまい
やっぱり愛称はもがみんだった