1 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 00:58:27.86 ID:0KhqdaHE0
P「ボーっとしてるぞ。大丈夫か」
時子「気のせいよ。気安く話しかけないでくれる?」
P「…仕事先に着いてから起こすと怒るだろうが」
時子「貴方がトロトロしているのが悪いのよ。タイミングがあるでしょう?」
P「知るか」
時子「知りなさい」
時子「それが貴方の役目でしょう。適切な機を見て起こしなさい」
P(気のせいじゃねえじゃねえか)
時子「……」
P「……」
P(と、静かにブレーキっと…)
・時子様かわいい
・わりと乙女。イメージと違うって人はすまん
2 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:00:48.29 ID:sh+Jh4Cdo
・
P「お疲れ様」
時子「下らない仕事ね」
P「インタビューを受けるのは立派な宣伝だ」
時子「伝えられないと価値を知れない大衆は罪ね…」
P「そーだなー」
P「…お前いつも同じこと答えるよな。本当なのか?」
時子「アン?」
P(相槌怖ぇよ)
P「好きなものは」
時子「他人の涙」
P「……」
時子「なによ。本当よ悪い?他人の涙大好き。ゾクゾクするわ」
P「いやまあ他人の趣味に口を出すつもりはないが…」
時子「私他人の涙大好き」
P「それ可愛くないから」
時子「アァン?」
P「……可愛くないって」
3 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:01:45.79 ID:0KhqdaHE0
時子「いいから早く出しなさい。トロトロしてる奴は大嫌いよ」
P「はいはい」
P「…、なあ、あれも本当なのか」
時子「なに?」
P「時子がアイドルをしているのは、金の為じゃなくて――」
時子「退屈を潰す為に決まってるわ。当然でしょう。二度も三度も言わさないでくれる豚」
P「……あぁ、そう」
時子「じゃあまた着いたら起こすのよ。ちゃんとタイミングよく」
P「……はいはい」
P(うそつけ)
4 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:04:44.99 ID:sh+Jh4Cdo
・・
P「イベント盛況だったな」
時子「私が立つだけで下僕達は喜ぶのだから大したことないわ」
P「うん、まあそういうところもあるよな…」
時子「私を求めなさい!」
P「いきなりなんだ」
時子「…妙ね。貴方の反応は、他の下僕とは少し違う気がするわ…普通の下僕はいまので失禁するのだけれど」
P「下僕に普通とか普通じゃないとかあるんだ…」
時子「…。まあいいわ」
時子「帰るわよ。車を回しなさい」
P「はいはい」
P「いまなにか言いかけなかったか?」
時子「気のせいよ。なんでもないわ」
P「気のせいじゃないだろ、それ」
時子「言わない」
時子「フン。言葉なしで成り立つ関係こそが、本物の主従でしょうに」
P「本物だろうが偽物だろうがお前と主従になった覚えはねえよ」
5 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:05:46.65 ID:0KhqdaHE0
時子「私がなんでもないと言えば何でもないわ!」
時子「豚はただそれに頷いていればいいのよ」
P「はいはいすいませんね」
時子「じゃあ帰るわよ」フン
時子「あ、このまえ連れて行ったところへ寄りなさい。悪くなかったわ」
P「あ、ラーメン屋ね…時子様けっこう庶民派だよね…おいしいけどさ」
6 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:08:22.30 ID:0KhqdaHE0
・・・
時子「貴方、こういうのが好きなんでしょう?隠してもわかるわよ」
P「…」
P「いや、なんの話――」
時子「好きなんでしょう?」
P「もが」
P「め、飯を食ってるところに無理やり押し付けるな。箸が喉に刺さる」
時子「あらそうどうしても私に刺して欲しいのねそれならそうと」
P「言わない。思ってない」
7 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:10:32.89 ID:sh+Jh4Cdo
時子「貸しなさい。それならあとは私が食べてやるわ。豚が豚を食うなんてみっともないわ」
P「これ牛丼なんだけど…いやそうじゃなくて」
時子「女の子がお弁当を作って来て断るような豚に育てた覚えはないわ」
P「豚でもお前に育てられた覚えもねえよ」
P「…あぁ?弁当?時子が?女の子?」
時子「そうよ。…というかその単語の繋ぎ方貴方削ぐわよ」
P「はいあーん」
時子「なにも盛ってないわ」
8 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:11:31.98 ID:0KhqdaHE0
時子「あむ」
P(真顔で食いやがった)
時子「エクセレント」
P「自画自賛か」
時子「いいから食え」
P「待て自分で食えるから箸を構えるな」
時子「初めから素直に食べればいいのよ」
P「すいませんね…」
9 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:12:35.99 ID:sh+Jh4Cdo
もぐもぐ
P「まあたしかにお弁当を作ってもらうのがきらいな男はいないな。女の子に」モグモグ
時子「……」モグモグ
P「ありがとう」
時子「どういたしまして」
P「ちょっとは笑えよ」
時子「こう?」
P「怖い怖い怖い怖い」
時子「……あとで覚えてなさいよ…」
P「はは」
11 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:13:38.25 ID:0KhqdaHE0
・・・・
時子「誰が終わりって言った?誰が?」
P「俺が」
P「ほら肩貸せ帰るぞ」
時子「……ま、まだよ。まだ続けるんだから…んぷ」
P「吐きそうになるまでレッスンするなよ……よしよし」
時子「……」プルプル…
P(バケツもってくるか)
12 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:14:44.32 ID:sh+Jh4Cdo
時子「…」ゲゥ
P「落ち着いたか」
時子「…水を寄越しなさい」
P「はいはい。どうぞ」
時子「肩を貸しなさい」
P「はいはい」
時子「ちゃんと支えるのよ」
P「支えますよ」
P「いいんだぞまだ横になってても」
時子「いいから貸せ」
P「…はいはい」
13 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:15:30.04 ID:0KhqdaHE0
P「ライブまえで焦りすぎだ。一人で歌うわけじゃない」
時子「…その口から、なにか下らないことを垂れ流すのは…私の許可を得てからにして」
P「怒るぞ」
時子「……だって、――この私に出来ないことはないわ」
P「じゃあ一人で戻って来い」
時子「…………チッ」
P(いつもより素直だな。だいぶへこたれてるのか)
P「そうだな」
14 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:16:42.76 ID:sh+Jh4Cdo
P「時子様に出来ないことなんてないよな。失敗もしない」
時子「ええそうよ」
P「だからいろいろ見失って、無茶しすぎることだってない」
時子「……ええ、そうよ」
P「そっか」
P「じゃあ今日のことは忘れるか。気のせいだな」
時子「ええ気のせいよ。忘れなさい」
P「はいはい」
時子「……」
P「謝るなよ。時子様なんだろ」
時子「…うん」
時子「…」
P「?」
時子「水…」ウプ
P「あ、ばか待て。もうちょっとだから我慢しろお願い待って待ってください」
15 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:18:12.57 ID:0KhqdaHE0
・・・・・
P「時子」
時子「様はどうしたの豚」
P「緊張してるか」
時子「するはずないでしょう」
P「そうか」
時子「隣に座るなら許可を取りなさい」
P「頑張ってな。レッスンの成果がちゃんと出るといいな」
時子「…言ったでしょう。私に出来ないことはないわ」
P「そうだったな」
16 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:18:54.23 ID:sh+Jh4Cdo
時子「ねえ」
P「なんだ」
時子「支えて」
P「はいはい」
時子「…」
時子「ねえ」
P「なんだ?」
時子「まさか、後悔はしていないでしょう?貴方が開けた幕よ」
P「するもんか」
P「どんな結果だって後悔なんてしない。俺は時子とここまで来れてよかった」
時子「そう」
17 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:19:40.30 ID:0KhqdaHE0
時子「豚が言うわね」
P「豚も言うさ」
時子「そうね」
時子「でも貴方ならそういうと思ったわ」
P「そうか」
P「言葉なしでも伝わったんだな」
時子「おかげさまで。おめでとう貴方こそ真の時子様の下僕よ」
P「嬉しくねえよ」
18 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:20:25.47 ID:sh+Jh4Cdo
時子「…」
P「……」
時子「…ん」
時子「伝わった?」
P「伝わった」
時子「そう。よかった」
時子「行ってくるわ。ここで崇めてなさいな」
P「行ってらっしゃい。ちゃんと見てるよ」
19 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:21:10.65 ID:0KhqdaHE0
・・・・・・
時子「遅い」
P「……ぜぇ」
P「無茶、言うな…これでも、けっこう急いで…」
時子「ライブまえに縛られたスケジュールのお返しよ」アハハッ
時子「ほら下僕、手を挙げなさい」
P「…?」
時子「起こしてあげる」
P「…」
P「悪いな」
時子「かまわないわ」
20 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:21:58.82 ID:sh+Jh4Cdo
時子「さて行きましょうか。ちゃんと半歩下がってついてなさい」
P「はいはい」
時子「今日は新しい鞭を探すわ」
P「それでなんで俺呼んだの…?」
時子「何事も、貴方で試してみる。それがいいと気づいたわ」
P「それは気づかないで欲しかった…」
時子「それからこれ」
P「?…ああライブな。他のアイドルの。見に行くのか」
時子「もらったから。…なによなにをにやついているの」
P「いやべつに」
時子「おとすわよ」
P「な、なにを?」
21 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:22:43.17 ID:0KhqdaHE0
時子「フン…くるみが舞台に上がったら精々罵声を浴びせてやるわよ…脳に行く栄養が胸に行ってる奴は絶滅すればいいのよ本当に…」ブツブツ
P「やめてやれ」
時子「それにべつに遊びに行くわけじゃないわ」
P「ん?」
時子「アイドルとして見ておかなければならないでしょう?」
P「…うん」
時子「ええ」
時子「…私に本気を出させるなんて…。ね。責任は取りなさい?」
P「おう。了解」
時子「返事は畏まりましたで統一なさい」
P「…かしこまり」
23 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:24:02.31 ID:sh+Jh4Cdo
・・・・・・・
時子「…」
P「…」
P「帰ってすぐレッスンするとか言うなよ許さないからな」
時子「言わないわ!」
時子「…全部乳のせいよ…あの歓声もそう、そうなのよ…」ブツブツ
P(乳とか言うな)
時子「…」
P「…」
P「ま、次のライブに向けてのんびり頑張れ」
時子「煩い。私に指図しないで」
時子「それに使うのは私よ。貴方じゃないわ。私のために、貴方が頑張りなさい」
P「…すいません。かしこまりっす」
24 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:24:54.97 ID:0KhqdaHE0
P「ライブのぶんの埋め合わせがこんなことでよかったのか?」
時子「結構よ。べつに遊びでアイドルをしているわけではないわ」
P「退屈凌ぎなのに遊びでもないんだな…時子様は難しいなぁ」
時子「難しいわよ」
時子「だから知る為に努力なさい」
P「けっこうやってる」
時子「そう。ならいいわ」
25 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:25:42.47 ID:sh+Jh4Cdo
P「帰るか」
時子「そうね」
時子「ねえ」
P「いいよ。ちゃんと起こすから」
時子「そう」ニコ
26 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:26:51.29 ID:0KhqdaHE0
時子「…」ウトウト
時子「ねえ」
P「ん?」
時子「ありがとう」
P「……こちらこそ」
時子「うん」
時子「変わったのよ、私…」
P(…あとになるな。拭っとくか)
時子「…ん」
時子「…おやすみ…」
P「おやすみ」
27 : ◆HL2fUAyECQ :2014/04/28(月) 01:27:38.23 ID:sh+Jh4Cdo
おしまい
時子様は台詞を読めば読むほど好きになる乙女妄想が加速する
イメージと違うって人には申し訳ない。お読みいただけたらどーも
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/28(月) 01:28:05.98 ID:hurd0lsZo
おっつおっつばっちし☆
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/04/28(月) 02:51:17.91 ID:yJSoutOD0
これがSデレか
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