1: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:40:55.57 ID:jJMu6ai40
―――――プロダクション内・晶葉ラボ―――――
池袋晶葉「もしもし、ああ、私だ。完成したぞ」
晶葉「ああ……、確かに。だが、もう一度確認するが……」
晶葉「“アロマディフューザー”を“20個”でいいんだな?ホントに?聞き間違いではなく?」
晶葉「まあ、それでいいならいいんだが……。いったいどういう意味が……?」
晶葉「ああ、ちひろに……。プレゼント……ということか?……なるほど、蒸すのか」
晶葉「……」
晶葉「蒸す!?」
晶葉「い、いや、まあいいさ、時間を見つけて取りに来てくれ」
晶葉「では切るぞ……ああ、気にするな……お疲れ様」
ガチャ
晶葉「???」
2: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:41:42.89 ID:jJMu6ai40
晶葉「ま、まあいいか。気にしないでおこう……」
晶葉「しかし、作り終わったら暇になってしまったな……」
晶葉「何か適当に機械でもいじるか……」
コンコン
晶葉「?」
晶葉「空いてるぞー」
ガチャ
佐城雪美「おじゃま……します……」
晶葉「おお!雪美か!珍しいな!」
雪美「……」
晶葉「ど、どうした?」
雪美「機械……いっぱいで……すごい……」キラキラ
晶葉「はっはっは!そうだろう」
雪美「自爆スイッチは……どこ?」
晶葉「普通最初にそれ探すか!?」
4: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:42:43.14 ID:jJMu6ai40
晶葉「おっと、立たせっぱなしも悪いな。そこの椅子に座ってくれ」
雪美「ありがとう……」ヨイショ
晶葉「それで、どうしたんだ?」
雪美「……えっと、これ……」ガサゴソ
晶葉「お、タブレットじゃないか、どうしたんだ?」
雪美「ありすから……レッスン中だけ……うばっ……貸りた……」
晶葉「奪ったって言おうとしなかったか?」
5: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:43:34.64 ID:jJMu6ai40
雪美「でも、使い方……わからなくて……」
晶葉「な、なるほど、それで来たというわけか、良い判断だ。……で、タブレットで何がしたいんだ?」
雪美「ペロ……」
晶葉「ああ、写真を撮るのか?動画も撮影できるぞ?」
雪美「ペロを……乗せて……運びたい……」
晶葉「アナログ」
6: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:44:16.25 ID:jJMu6ai40
雪美「ユキミジョーク……ふふっ……」
晶葉「……奪ったのもジョークなんだよな?」
雪美「今日は……いい……天気……」
晶葉「露骨」
雪美「ロコツ……?」
晶葉「“あからさま”ということだ」
雪美「あかしやさんま……?」
晶葉「わざとだな?そうなんだな?」
7: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:45:09.77 ID:jJMu6ai40
晶葉「話をもとに戻そうか」
雪美「……」コクッ
晶葉「ええと……」
雪美「ちひろを蒸すと……運勢が……あがる……」
晶葉「その会話の時はまだいなかっただろう!?」
8: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:46:15.73 ID:jJMu6ai40
雪美「タブレットの……話を……」
晶葉「何事もなかったように戻すのもやめてくれ……」
雪美「動画……見たい……」
晶葉「な、なるほど。ちょっと貸してくれ」
雪美「……」コクッ
晶葉「……よし、Yootubeは開いたぞ。どんな動画が見たいんだ?」
雪美「X JAPAN」
晶葉「何か嫌なことがあったなら相談に乗るぞ?」
9: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:46:58.42 ID:jJMu6ai40
雪美「晶葉は……普段……どんなのを見てる……?」
晶葉「私か?以前はあまり使ってなかったが、最近は他のアイドルのライブ映像とかを参考に見ることはあるな」
雪美「幸子……とか……?」
晶葉「あれを参考にできるアイドルはいない」
雪美「X JAPAN……とか……?」
晶葉「いつから雪美の中で幸子とX JAPANは同格になったんだ」
雪美「クールタチバナ()……とか……?」
晶葉「貸してくれた人を煽るとはいい性格してるな」
雪美「じゃあ……誰……」
晶葉「そいつら以外なら大体は頷いてたと思うんだが」
10: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:47:53.85 ID:jJMu6ai40
雪美「あ……」
晶葉「どうした?」
雪美「ありすの履歴……見れる……?」
晶葉「う……、他人のを見るのはあまりいい趣味とは言えないが……」
雪美「ちょっとだけ……!」
晶葉「うーむ……」
雪美「フレデリカにしか……言わないから……」
晶葉「それ社内にスピーカーで放送するのと一緒なんだが」
11: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:48:45.31 ID:jJMu6ai40
晶葉「じゃあ少しだけ……」ポチ
雪美「……」
晶葉「えっと、文香のライブや曲の動画に……いや、クール系のアイドルのやつが多いのか」
雪美「……」フムフム
晶葉「後は料理の動画もあるな、勉強中か」
雪美「本当に……?」
晶葉「疑うな」
12: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:49:27.71 ID:jJMu6ai40
雪美「あ……」
晶葉「ん?お、フレデリカのライブ映像もけっこう見てるんだな。まあ、割と一緒にいるのを見るし、仲が良いんだろう」
雪美「フレデリカ……面白い……」
晶葉「あー、周りで見てる分にはな」
雪美「この前……いなくなったペロ……見つけてくれた……」
晶葉「ほう、いいことだな」
雪美「……ありすが」
晶葉「じゃあフレデリカどこ行った!?」
13: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:50:16.12 ID:jJMu6ai40
雪美「あ……そろそろ、返さなきゃ……」
晶葉「おっと、もうそんな時間か」
雪美「晶葉……ありがとう……」
晶葉「なぁに、お安いご用さ」
雪美「さよならしるぶぷれ……」
晶葉「完全に悪影響じゃないか」
14: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:51:02.10 ID:jJMu6ai40
―――――次の日・ラボ―――――
晶葉「~♪」カチャカチャ
コンコン
晶葉「ん?入っていいぞー」
ガチャ
雪美「こんにちは……」
晶葉「おお、また雪美か!座ってくれ」ヨイショ
雪美「……ありがとう……」
晶葉「また何かあったのか?」
雪美「昨日、あのあと……」
晶葉「ああ、雪美が帰った後か」
雪美「ありすとフレデリカが……話してる時に、……“ありすはフレデリカの動画をよく見てるの?”って言ったら……」
晶葉「エグイことするな」
雪美「“人の履歴を見て言いふらすなんてダメです!!!しかも当事者の前でなんて!!!”って……」
晶葉「ぐうの音も出ない」
15: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:52:37.46 ID:jJMu6ai40
雪美「前置きは……このくらいに……」
晶葉「いつかありすに蹴られるからな?」
雪美「今日は……また別の用があって……」
晶葉「そ、そうなのか」
雪美「えっと……」
晶葉「どうした?なんでも言ってくれ」
雪美「油田が欲しい……」
晶葉「私が神龍かなにかに見えてるのか?」
16: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:53:41.85 ID:jJMu6ai40
雪美「ユキミジョーク……ふふっ……」
晶葉「その1日1回のノルマみたいなのやめてくれ」
雪美「作ってほしい……ものが……あって……」
晶葉「マトモなものなんだろうな……」
雪美「……」
晶葉「黙るタイミングに悪意がないか!?」
17: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:54:24.16 ID:jJMu6ai40
雪美「……アキアキさん、今日は何を……作るの……?」
晶葉「誰!?というかそれを雪美がリクエストするんじゃないのか!?」
雪美「ふふふ、葉口リ……、今日はね……」
晶葉「一人二役!?しかも葉口リて!!」
雪美「PlayStation5」
晶葉「やめろ!大企業にケンカを売るな!」
雪美「大丈夫……S〇NYは……優しい……」
晶葉「それ伏せ字の意味ないからな!?」
18: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:55:58.00 ID:jJMu6ai40
雪美「本当は……、服についた……ネコの毛を……掃除できる機械が欲しい……」
晶葉「結局めちゃくちゃマトモなリクエストじゃないか……」
雪美「……できそう……?」
晶葉「ハンディ掃除機の先端を改良すればできるだろう。どこよりもいいものを作ってみせるさ!」
雪美「まさかそれが……最期の言葉になろうとは……」
晶葉「不吉なナレーションを入れないでくれ!!!」
19: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:57:03.49 ID:jJMu6ai40
―――――次の日・ラボ―――――
コンコンガチャ雪美「こんにちは……」ヨイショ
晶葉「おおう!?座るまでの一連の動作が早すぎないか!?」ビクゥ
雪美「時短で……エコ……」
晶葉「環境より私の心臓に気を遣ってほしかったが」
20: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:57:42.94 ID:jJMu6ai40
雪美「昨日の……できた……?」
晶葉「当然だ!」
雪美「楽しみにしてた……。アロマディフューザー……」
晶葉「そっち!!??」
晶葉「って、またユキミジョークか!」
雪美「……」フルフル
晶葉「え?」
雪美「サジョーク……」ドヤァ
晶葉「いったい!何が!違うんだ!!!」
21: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:58:28.61 ID:jJMu6ai40
晶葉「ほら、コレだ」
雪美「すごい……!」
晶葉「壊れたら直すから教えてくれ」
雪美「折れたら……?」
晶葉「え?……いや、直すから教えてくれ」
雪美「水没したら……?」
晶葉「い、いや、直すが……」
雪美「窓から落としたら……?」
晶葉「そんなに雑に扱う予定なのか!?」
雪美「爆発したら……?」
晶葉「しない!!!」
23: ◆i/Ay6sgovU 2016/03/26(土) 21:59:11.27 ID:jJMu6ai40
雪美「ふふふ……晶葉……やさしい……ね」
晶葉「ま、まあ、そう言ってもらえるなら何よりだが……」
雪美「次は……別荘がほしい……」
晶葉「いい加減にしてくれ!!!」
おわり