2: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:04:16.46 ID:HC8DVoY30
P「えー、皆さんこんばんは。Pです」
P「僕はこれから、近所の夏祭りに向かいます」
P「……夏祭りなんて、何年ぶりでしょうかね」
P「なんて考えていると、今日の主役のご登場です」
渋谷凛「プロデューサー、誰に話してるの?」
五十嵐響子「ほら、Pさん早く行きましょうっ!」
P「ああ、そうだな。……二人とも、浴衣似合ってるよ」
響子「そ、そうですか?ありがとうございます!」
凛「……ふふっ。ありがと、プロデューサー」
3: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:09:20.07 ID:HC8DVoY30
ガヤガヤ……
響子「わぁー、とっても大きなお祭りですね!」
凛「そうだね。お祭りなんて久しぶりだなぁ」
P「ははは。人も多いから、あんまり離れるなよ」
響子「それじゃPさん、ちょっと失礼しますね」ギュッ
P「こらこら、そんなにくっつかれると歩きづらいんだが……」
響子「そうですか?少しくらいいいじゃないですか」
P「やれやれ……凛?」
凛「……何?」
P「……りーんー?」ジーッ
凛「何なの、さっきから」ソワソワ
P「こっち、空いてるけど」
凛「……そう」ギュッ
P(両手に花。傍から見たら凄い状況だろうなぁ)
4: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:15:08.28 ID:HC8DVoY30
P「今日は二人とも、好きに楽しんでいいよ。俺の奢りだ」
響子「え、いいんですか?……なんだか気が引けますね」
凛「……じゃあプロデューサー、私はかき氷が食べたいな」
P「おう、いいぞ。響子は?」
響子「わっ、私も食べたいです!」
P「そうか。すみませーん、かき氷二つ。味は?」
響子「イチゴ味で!」
凛「ブルーハワイかな」
5: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:20:02.93 ID:HC8DVoY30
凛「冷たくておいしいね。……プロデューサー、ほら」
P「ん?」
凛「ほら。あーん」スッ
P「ああ」パクッ
P「んー、冷たい。でも、夏って感じがしていいよな」
響子「……」ジーッ
P「響子?」
響子「はい、Pさん。あーん、です」スッ
P「おう」パクッ
P「イチゴ味もいいよな」
凛「プロデューサーは何味が好きなの?」
響子「あ、それ私も気になります」
P「ミルク金時。置いてる所はそんなに多くないけどな」
6: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:25:20.01 ID:HC8DVoY30
P「他には何かあるか?遠慮するなよー」
響子「はーいっ。……あ、Pさん!私、射的やりたいです!」
P「射的か。凛もやるか?」
凛「うん。……たまにはいいかなって」
響子「じゃあ凛ちゃん、どっちが多く落とせるか勝負ですっ!」
凛「いいよ。勝った方は……」ゴニョゴニョ
響子「っ!!わっ、わかりました!」
P「?」
7: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:30:15.76 ID:HC8DVoY30
凛「射的なんて、最後にやったのは小学校の頃かな……えいっ」パンッ
響子「私もです。難しいんですよね……それっ」パンッ
凛「難しいなぁ……上手く当たらないや」パンッ
響子「えへへ、それじゃあ私が……あれっ、当たらないなぁ……」パンッ
凛「あともう少し……あっ、弾切れだ」
響子「あれっ、私もです……引き分けですね」
P「……二人とも、あれが欲しかったのか?」
凛「い、いや……うん、そうだけど」
響子「Pさん、どうするんですか?」
P「まあ、見てなって」
8: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:35:29.15 ID:HC8DVoY30
P「ほら。こっちは凛で、こっちは響子だな」
凛「うん……ありがと」
響子「は、はいっ!ありがとうございます!」
凛「……プロデューサー、射的上手いんだね」
響子「私もびっくりでした」
P「昔取ったなんとやら、だよ」
P「にしても……二人とも、そんな玩具のネックレスでよかったのか?」
凛「っ!?」
響子「へっ!?」
P「あー、いや。変な意味じゃない。そういう可愛いのが好きなのかなって」
響子「……あはは、そうですよね。ええ、好きですよこういうの」
凛「私は……あんまりこういうの、似合わないんじゃないかって思うけどね」
9: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:40:54.98 ID:HC8DVoY30
P「そんなことないぞ。貸してみろ」
スッ
凛「あっ……」
P「うん。似合う似合う」
P「ほら、響子も貸してくれ」
スッ
響子「……どう、ですか?」
P「いいね。似合ってるよ」
10: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:45:39.21 ID:HC8DVoY30
凛「似合ってる、かぁ……ふふっ」
響子「凛ちゃん、とっても素敵な笑顔です♪」
凛「……響子もね」
響子「へっ!?ほ、本当ですか!?」カァァァ
P「……どうした、二人とも?」
凛「なんでもない。なんでもないから」
響子「な、なんでもないですよ?」
P「そうか?」
凛「うん。ほら、行くよプロデューサー」ギュッ
響子「わわっ、待ってください!」ギュッ
P「だから、歩きづらいっての。……やれやれ」
12: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 18:50:39.46 ID:HC8DVoY30
P「ん、そういえば……二人ともちょっとごめんな。電話かけてくるから、少し待っててくれ」
凛「いいけど……お仕事?」
P「あー、半分公用だな」
響子「Pさん、はやく戻ってきてくださいね」
P「ああ、わかってるよ」
凛「……ねぇ、響子」
響子「なんですか?」
凛「響子はさ……プロデューサーの事、どう思ってるの?」
13: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:00:22.43 ID:HC8DVoY30
響子「えっ!?」
凛「いきなりごめんね。言いたくなかったらいいよ」
響子「……Pさんは優しくて、どこか抜けてるけど頼りになる人だな、って」
凛「……そっか」
響子「凛ちゃんは?」
凛「こんな私を可愛いって言ってくれて、アイドルにしてくれて……」
凛「うん、信頼してる。やっぱりプロデューサーには頼っちゃうなぁ」
14: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:05:14.90 ID:HC8DVoY30
響子「……えへへ。私達、おんなじですね」
凛「同じ?」
響子「はい。年も、誕生日も、アイドルなのも、それから……」
P「おう、すまなかったな。……どうした二人とも?」
響子「何でもありませんよっ!さあ、行きましょう!」
凛「響子、さっきのは……」
響子「ナイショです♪」
15: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:10:01.63 ID:HC8DVoY30
P「何か食べたいものは他にあるか?」
凛「あ……クレープ食べたいな」
響子「いいですね、クレープ。Pさん、いいですか?」
P「もちろん。味は?」
凛「じゃあ、プロデューサーにお任せ」
響子「私もそれでっ!」
P「おいおい、困ったな……わかった、ちょっと待ってな」
P「はい。好きな方選んでくれ」
凛「うん、ありがと。……じゃあ私はイチゴにしようかな」
響子「私のは……チョコバナナですね。うん、おいしいですっ」
P「そっか、そりゃよかった。……二人とも、こっちこっち」
16: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:16:05.32 ID:HC8DVoY30
凛「プロデューサー、私達どこに行くの?」
P「まあ、まあ。この辺がベストポジションかな」
響子「ベストポジション?何がですか?」
P「時間も……そろそろか。二人とも、あっち注目」
凛「……?」
響子「何ですか?」
ドーン……
凛「あ……花火だ」
響子「綺麗ですね……」
凛「うん。……流石、プロデューサーだね」
17: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:20:15.50 ID:HC8DVoY30
P「……ごめんな、誕生日なのにプレゼントもなくて」
響子「いえ、こうしてPさんと凛ちゃんと一緒に来れて、とっても嬉しいです」
凛「……私もだよ。来年も、プロデューサーと響子と、また三人で来ようね」
P「ああ。約束だな」
響子「はいっ、約束です♪」ギュッ
凛「うん、約束だよ」ギュッ
P「凛、響子。二人とも、誕生日おめでとう」
ドーン……
凛「……プロデューサー、ありがとう。今日のこと、ずっと忘れないよ」
響子「……Pさん、ありがとうございます。今日は今までの中で、最高の誕生日ですっ!」
19: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:25:23.80 ID:HC8DVoY30
P「さ、花火も終わったし帰ろうか」
凛「そうだね。……ねえ、プロデューサー」
P「どうした?」
凛「その……」
P「?」
凛「えいっ」ギュッ
P「……手を繋ぎたかったのなら、そう言えばいいのに」
凛「……ばか」
響子「ふふっ。凛ちゃんばっかり、ずるいです♪」ギュッ
P「響子もか」
響子「はいっ!このまま事務所まで帰りましょう?」
P「そうだな」
20: ◆.FkqD6/oh. 2013/08/10(土) 19:30:17.05 ID:HC8DVoY30
P「うん、いい時間だな。打ち合わせ通り」
凛「……どうしたの、プロデューサー?事務所の前で立ち止まって」
P「あー、二人とも。俺より先に入って」
響子「え?どういうことですか――」
ガチャ
凛「あ――」
響子「わぁ――」
「――誕生日おめでとう!」
凛「……うん」
響子「……はいっ!」
「――ありがとう」
おわり