【前川みくSS】みく「仲の良いユニットは大成しない?」

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:16:15.96 ID:d0R8K3mQ0
未央「そうそう。そんな噂を聞いたの!」

みく「すっごく胡散臭いにゃあ……」

未央「うん、私もそう思う」

未央「セクシーギルティとか、メロウイエローとか、みんなとっても仲いいもんね」

みく「うんうん」

みく「って、じゃあ未央チャンはそれを私に伝えてどうするつもりだったの?」

未央「どんな反応するかなーって」

みく「見ての通りにゃ」

未央「うん、予想通りだった」

みく「……ま、仮にそういうジンクスがあったとしてもーー」

李衣菜「おはよー」

みく「ーーみくと李衣菜チャンは仲良く無いから、ちゃぁんと大成できると思うにゃ」

李衣菜「……」

未央「あ、おはよっ!」

李衣菜「おはよ、未央ちゃん」

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:16:41.60 ID:d0R8K3mQ0
李衣菜「……で、おはよ、みく。いきなりすごい挨拶だね」

みく「おはよ、李衣菜チャ……うわっ、またギター持って来たにゃ……」

李衣菜「何が悪いの?」

みく「今日のお仕事何か知ってる?」

李衣菜「雑誌の取材でしょ?」

みく「それで、なんでギターを持って来たの?」

みく「弾くフリをする機会なんてないよ?」

李衣菜「ふっ、フリじゃなくて、ちゃんと弾けるし!」

李衣菜「それに、私がギターを持ってなかったらそれはもう私じゃないから」

李衣菜「私がギター、ギターが私……うん、まさにそんなロックな関係なんだよ!」

みく「……」

李衣菜「……あ、今のいいかも。今日の取材の時に使おっと!」

みく「……もう勝手にすればいいにゃ」

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:17:30.68 ID:d0R8K3mQ0
未央「相変わらず仲良しだねー、二人とも」

みく「仲良しなんかじゃないにゃ」

未央「またそんなこと言っちゃってー!」

みく「嘘なんかじゃないにゃ」

みく「みくは李衣菜チャンのお馬鹿チャンな行動にいーっつもうんざりしてるんだから!」

李衣菜「はぁ!? それを言うなら私だってうんざりしてるよ!」

李衣菜「今日だっていきなり仲悪い宣言だよ!? それにいっつもいっつもロックを馬鹿にして……本っ当嫌な猫だよ!」

みく「みくはロックを馬鹿にしてるつもりはないよ?」

みく「李衣菜チャンを馬鹿にしてるだけにゃ。にゃふふ」

李衣菜「ひどっ!」

李衣菜「ねぇ聞いた、未央ちゃん? こんな風にみくってばいーっつも性格悪いことばっかいってくるんだよ!?」

李衣菜「あーもうっ、ムカつく~っ!」

みく「悔しかったらそのギターで見返してみるといいにゃ」

李衣菜「……」

李衣菜「や、今日はピック忘れちゃって……」

みく「ホントに何のためのギターにゃ……ロックが聞いて呆れるにゃ……」

李衣菜「むかーっ!」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:18:18.90 ID:d0R8K3mQ0
李衣菜「ほら、みくってばこんなに性格悪いんだよ! ひどいよね!」

未央「おおっと、私に話が飛んで来ちゃった」

みく「李衣菜チャンってばいっつもこんなんだから……そりゃ、呆れてうんざりすると思わない?」

未央「う~ん、私は聖徳太子じゃ無いんだけどなぁ……」

李衣菜「未央ちゃんからも何か言ってやってよ!」

みく「そうにゃ! 李衣菜チャンはお馬鹿チャン~って教えてあげないと!」

李衣菜「私じゃなくてみくにだよ!」

みく「いーや、李衣菜チャンにゃ!」

李衣菜「みく!」

みく「李衣菜チャン!」

李衣菜「みく!」

みく「李衣菜チャン!」

未央「……やっぱり私には仲が良いように見えるんだけどなぁ」

李衣菜「仲良くなんかないっ!」

みく「仲良くなんてないにゃっ!」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:19:00.00 ID:d0R8K3mQ0
未央「だって、2人ともこんなに息ピッタリなんだよ?」

未央「これを仲良しじゃなくなんと言おうか!」

みく「険悪にゃ」

未央「おおう……即答するね」

李衣菜「もしみくと波長があってたらこんな風になんないでしょ」

みく「同感にゃ」

未央「ふむむ~……」

李衣菜「聞いてよ未央ちゃん。この前駅で待ち合わせしてた時なんだけどね」

未央「あ、うん」

李衣菜「私が10分前に来たにも関わらずみくったら何分遅れたと思う?」

李衣菜「1時間だよ、1時間!」

みく「うぐっ……」

未央「へぇ……みくにゃんって結構時間に厳しいイメージあったんだけど」

李衣菜「私もその辺は信頼してたからさ。まあちょっと調子が悪かったとか、電車が遅延してたとか、そういうのかなって思ってたんだよ」

未央「うんうん」

李衣菜「で、1時間経ってやっとみくが来たから『どうしたの?』って聞いてみたらなんて答えたと思う?」

李衣菜「お弁当作ってて遅れただよ! お弁当!」

未央「お弁当?」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:20:06.59 ID:d0R8K3mQ0
李衣菜「そう、お弁当!」

李衣菜「早く起きて、ちゃんと作れば遅れるはずなんてないと思わない!?」

みく「あっ、あれはっ、その……ちょ、ちょっと凝ろうとしたら時間かかっちゃって……」

李衣菜「確かに、猫の顔型に切られた人参とか、結構凝ってたー……って思うけどさ……でも、人を待たせてまで凝るものじゃないよね!」

みく「くっ……これには返す言葉が無いにゃ……」

みく「せっかく食べてもらうんだから、見た目も良くしようって思っちゃったのが運の尽きだったにゃ……」

未央「……ん?」

未央「食べてもらう……?」

李衣菜「味はすごく美味しかったのに……遅刻さえなければ100点だったのにさ」

みく「ううう……」

未央「あ、あの、ちょっと待って?」

李衣菜「ん?」

未央「みくにゃんは、李衣菜チャンのためのお弁当をーー」

みく「ーーり、李衣菜チャンだって! 李衣菜チャンだって、お弁当にみくの嫌いなものばっかり詰めて来てたのを渡してきたにゃ!」

未央「りーなもだった」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:20:49.69 ID:d0R8K3mQ0
みく「みくがお魚嫌いってこと知ってるはずなのに……なのに、白身魚のフライとか、シャケフレークとか……ひどい、ひどすぎるにゃ!」

李衣菜「あれはみくのためにやったんだよ!」

李衣菜「このまま魚嫌いだったらテレビに出た時大変でしょ? だからみくの事を考えて……」

未央「母親か」

みく「時と場合を選んで欲しかったにゃ! せっかく李衣菜チャンと遊べるってウキウキ気分だったのに、しょっぱなからこれにゃ!」

未央「すごい楽しみにしてたんだね」

李衣菜「だっ、だからちゃんと魚介類使ってないお弁当も上げたでしょ!」

未央「優しいなぁ」

みく「そっちはとっても美味しかったにゃ! ごちそうさまにゃ! でも魚はやっぱり……」

李衣菜「だから残していいって言ったじゃん!」

みく「でも、せっかく李衣菜チャンが作ってくれたお弁当残せるわけ無いじゃん!」

みく「だからみくはがんばって……がんばって……うう、まだ残ってる気がするにゃ……」

李衣菜「変に意地なんか張るからだよ、この意地っ張り!」

みく「う、うるさいにゃっ、馬鹿っ!」

李衣菜「あーっ! また、また馬鹿って言った!」

みく「わざわざお弁当二つも作ってくるなんて馬鹿にゃ! 馬鹿に馬鹿って言って何が悪いのにゃ!」

李衣菜「そんなこと言うならみくにゃんだって、凝りすぎて遅れるなんて馬鹿じゃん!」

みく「むむむー!」

李衣菜「ぐぬぬー!」

未央「……うん、やっぱり2人とも仲良いよ」

みく「良くないにゃっ!」

李衣菜「良くないって!」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:21:30.46 ID:d0R8K3mQ0
みく「まだ他にもあるにゃ!」

未央「えっ」

みく「一緒に映画見にいったでしょ?」

未央「へぇ……2人で映画見に行ってたんだ」

みく「李衣菜チャンったらすーっごく怖がっちゃって、ずーっとみくの手を握り締めてたにゃ」

未央「しかもホラー!」

みく「何度も痛いからやめてって言ってるのにずーっと握りっぱなしで、本っ当に痛かったんだから!」

李衣菜「に、握ってたのはそっちだってそうじゃん!」

李衣菜「映画見る前よりずっと強く握ってたじゃん!」

未央「まさかの手繋ぎデート!」

みく「そそそ、そんなことないにゃ!」

李衣菜「しかもずっと隣で『りぃなちゃぁん……』って泣いててさ……むしろそっちの方が怖かったよ」

みく「それは作り話にゃ!」

みく「というか、泣いてたのは李衣菜チャンにゃ!」

李衣菜「わ、私だって泣いてないし!」

みく「泣いてた!」

李衣菜「泣いてない!」

みく「なーいーてーたー!」

李衣菜「なーいーてーなーいー!」

未央「……いつまでここにいれば良いんだろ」

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:22:24.03 ID:d0R8K3mQ0
未央「あのさ、もう2人が……うん、仲悪いってことにしとくからーー」

みく「にゃぁぁぁぁあああああ!!!」

みく「もう怒ったにゃ! みくもう怒った!」

みく「もう絶対みくの特性みくにゃんカレー作ってあげないんだから!」

未央「作ってたんだ!」

李衣菜「……ぅ」

李衣菜「なっ、なら私だって、私だって怒ったんだから!」

李衣菜「私オススメの曲を集めたベストアルバムもう貸してあげないんだから!」

未央「何それすごい面白そうなんだけど!」

みく「……」

みく「じゃあじゃあ、みくだって! もう寝る前に子守唄歌ってあげないもん!」

未央「母親か!」

李衣菜「……」

李衣菜「じゃあじゃあじゃあ!毎週土曜恒例のりーにゃんソロライブ絶対やってあげない!」

未央「りーなが猫になってる!」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/05/13(水) 00:23:09.34 ID:d0R8K3mQ0
みく「……」

李衣菜「……」

みく「……ゴメン、言い過ぎたにゃ」

みく「りーにゃんソロライブが無いのは……つらい」

みく「あれすっごく楽しくて、元気が出るんだもん……土曜日の楽しみなんだもん……」

李衣菜「うん、私も……」

李衣菜「みくにゃんの子守唄ってすっごく心地よくてね……ホントに安眠できるの」

李衣菜「ここ最近じゃみくにゃんの子守唄聞かないと眠れないくらいなんだ……」

みく「……それじゃ、仲直りの印にゃ!」

みく「手、繋ご?」

李衣菜「……うん」

李衣菜「へへ……やっぱり、みくにゃんの手あったかいね」

みく「李衣菜ちゃんも……」

李衣菜「それじゃ……いこっか」

みく「ん!」

未央「……」

未央「……」

未央「……やっぱ、あの2人すっごく仲良いよね」

おわり

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