1:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:56:26.84 :3RbXpwEDO
文香「……」
文香「…?」
ちょこん
仁奈「…」
文香「…」
仁奈「…」ニヘ
ころころ
もふん
文香「?」
仁奈「文香おねーさんは、なにを読んでやがります?」
文香「……」
文香「…本に…興味があるの?」
仁奈「絵本などをたしなむてーどでごぜーます」
文香「……うん」
文香「絵本も…素敵ですね」
仁奈「はい。さらに羊が出るなら間違いはごぜーません。」コクコクコクコク
文香(……今度は…羊が出てくる絵本を持って来よう……)モフモフ
仁奈「くすぐってーですよー♪」キャッキャッ
P「なにあれまざりたい」
ちひろ「捕まりますよ」カタカタ
・一応シリーズもの
・鷺沢さん
2:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:58:13.97 :62KfhtsAo
文香「……」パラ
文香「…?」
ぽとっ
文香「…」
文香「…」ヒョイ
柚「あ、文香サーン。ごめんね、当たってないよね?」
文香「あ……いえ…はい」
柚「よかった。へへ、拾ってくれてありがとー」
文香「いえ…」
柚「お、なんだか分厚い本を読んでるねー。お勉強かな?」
文香「?……べつに、勉強というわけでは……」
柚「べ、勉強じゃないのに本を読むですと……」
文香「あまり…柚さんは、本は…読まないですか?」
柚「うん。雑誌なんかは読むけど、本を読んじゃうと、目が回っちゃうよね!」グルー
文香「??」メガマワルホン…ソウイウエホンカナ…?
3:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:58:51.54 :3RbXpwEDO
柚「文香サンはえらいなー」
文香「……えらい…ですか」
柚「うんっ。だから柚が褒めちゃうよー労っちゃうよっ」ナデナデ
文香「……」
柚「へへ」ニパ
柚「けど好きでも、ずーっと読んでると疲れちゃうでしょ?」
文香「…はい。それは……そうですね」
柚「だよねっ。だから――よっと」タタッ
文香「…?」
4:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 00:59:30.97 :62KfhtsAo
柚「よぉし来ーい」
文香「……」
文香「あの……なに……なんですか?」
柚「それそれ。こっちに投げて欲しいかなーって」
文香「……あ……これ…」
文香「……ええと……。」
文香「えい」
柚「お、ナイスパスっ――…よっ、柚スマーッシュ!」パコッ
スパーン
文香「……」
柚「へへっ」
5:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:00:11.36 :3RbXpwEDO
柚「たまには体を動かすのもいいんじゃないかなー♪」
柚「誘ってくれたらバドミントンとか、アタシ付き合っちゃうよ!」
文香「……」
柚「へへ」ニパニパ
文香「……」
文香「……あの」
P「ほう」
柚「」ビクゥ
6:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:01:09.83 :62KfhtsAo
P「事務所内は危ないから、バドミントンは禁止だと…」
P「つい先日言ったばかりのはずなんだが」
柚「……」ダラダラ
柚「ほ、ほらっ。なにをしても許される、許され系アイドル目指すんだーって、」
柚「それもついこの前話したばっかりじゃないかなーっ…て、てね…てへ?」
P「失敗してもじゃなかったか?」
柚「……」
P「…」
P「…」ジリ
柚「…」サッ
P「…」
柚「…っ――にっ、」
柚「逃げるが勝ちかもっ」ダッ
P「あっこら待てっ」ダダッ
文香「……」
文香「……えっと…はい」
文香(また……バドミントンの指南書でも……見つけておこう)
仁奈「??なにかおっしゃったです?」
文香「……いえ…なにも」
7:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:01:41.74 :3RbXpwEDO
文香「……」パラ
文香「…?」
ぽこん
文香「きゃ」
輝子「あっ」
文香「…?」ヒョイ
輝子「ご、…ごめんねっ、文香さん……私のトモダチが、その…フヒ…」
文香「……いえ」
文香「??友達……?」
輝子「??う、うん…」フヒ
文香「…………」ポコポコ
文香「……どこですか?」
輝子「グヘァッ」
仁奈「会心の一撃ですよ!」
文香「???」
8:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:02:24.11 :62KfhtsAo
輝子「……フッ…フヒヒッ…お、おけ、おけー……」プルプル…
輝子「ど、どうせ、……私は……キノコは少数派だから…分かってた分かってた……。ぐす」
仁奈「ほーほーのていでやがります」
文香「…難しい言葉を知っていますね」モフモフ
仁奈「えっへんです!」ヘヘー
輝子「フヒァヘアヒア」
比奈「あの、ほのぼのーな会話もけっこうなんでスけど、輝子ちゃんのフォローもしてあげて欲しいっス」
文香「あ……こんにちは」
仁奈「おはよーごぜーます、比奈おねーさん!」
比奈「どもっス」
9:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:03:13.49 :3RbXpwEDO
ひょい
比奈「このキノコが輝子ちゃんのトモダチっス」
文香「…茸が……ですか」
比奈「はいっス。まあちょっと違うかもしれないでスけど」
比奈「本も生きてるっスよね。そんな感じっス」
文香「…………」
文香「…そう……ですね。なんとなく……分かるような、気はします…」
比奈「それはよかったでスー」
輝子「おお……また育ててしまった……やっぱキノコの友情パワーは世界共通だぜぇ!比奈サァン!」
比奈「プロデューサーたちはお仕事中なので静かにっスよ」
輝子「あ、はい。はい」
文香(…………気のせいだったかも…)
P「今日は茸グラタンだな」ブチブチ
輝子「あっあっ、そ、その辺は食べる用じゃないから……やめ、ちょ、ホント勘弁してください……あっいや、また繁茂させたのは、その、出来心で……スイマセンスイマセン…」
10:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:03:52.78 :62KfhtsAo
文香「……」パラ
文香「…?」
楓「…」
文香「…」
楓「……」フフ
楓「文香ちゃん宛ての文が来たそうよ?」
文香「……」
楓「……、ぷ、ぷふっ…」プルプル…
仁奈「楓おねーさんは自分にあめーですね」
比奈(さらっと辛辣っス)
文香「??」
11:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:04:26.78 :3RbXpwEDO
文香「あ……手紙、ですか?」
P「ああ。ファンレターだな。読むか?」
文香「…………」
文香「……」
P「?」
文香「……」
文香「…思ったより……勇気がいりますね…自分が、勇気がないのに、少し……分かってはいたんですが。改めて……驚いたというか」
P「そっか」
12:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:05:08.59 :62KfhtsAo
P「まあ、初めてのファンレターを少しも怖がらずに読める子なんていないと思うよ」
文香「そう…でしょうか」
P「うん。それがフツウだよ」
文香「…」
文香「?」
13:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:05:53.24 :3RbXpwEDO
柚「よっ♪」パコン
仁奈「なんのでごぜーます!」ズサー パコッ
柚「おおっやるな仁奈チャンっ」
比奈「プロデューサーに怒られないくらいには収拾がつくようにしとくっス」ポコポコ
輝子「あ、……ありがと比奈さん…フヒ」ポコポコ
比奈「いえいえ。トモダチでスし。私もキノコが飛び交ってると原稿できないし」フフ
楓「……」
楓「…!」ピコーン
楓「文香ちゃん、…フミカー、…伸ばすとなんだかミニカーみたい……ふふっ」フフフ…
文香「…………」
P(楓さんはまたなんかしょうもないことを…はは…)
P「…、?」
14:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:06:33.44 :62KfhtsAo
P「…なあ文香」
文香「?はい」
P「いま…笑ったか?」
文香「…………。」
文香「……さあ…どうでしょう」スッ
P「あ、隠れるなよ。そんな本の使い方ずるいぞ」
文香「……ふふ」
15:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:07:29.76 :3RbXpwEDO
文香「……」
文香「……アイドルになると」
文香「きぐるみだったり羽根だったり、茸だったり……笑い声だったり、誘いかけだったり……ダジャレだったり、ファンレターだったり」
文香「……自分からなにもしなくても、いろいろなことが飛んで来て……不思議です」
P(大半がうちの事務所に限定された話のような気もするが)
文香「??」
P「いや、なんでもない」
16:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:08:15.82 :62KfhtsAo
P「不思議……か」
P「困ったりはしてないか?」
文香「初めは…戸惑いました。でも」
文香「それこそ不思議と……楽しいです。今まで通り、」
文香「ときには書と立ち止まる時間を持てるなら……こうして目まぐるしいのも……悪くないかも、と」
P「そっか」
P「じゃあ、よかった」
文香「…はい……よかった、です」
P「…あ」
文香「?」
P「いま笑ったよな?」
文香「さあ」サッ
P「なっ…くそー」
文香「ふふふ」
17:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:09:15.70 :3RbXpwEDO
文香「……ありがとうございます。頂いたファンレターは……また…そのうち」
P「うん。無理しないで、ゆっくり見るといいよ」
文香「はい」
文香「なにか……プロデューサーさんや、みなさんに、お礼ができると……いいんですが」
P「いやいや、そんな気を遣わなくても」
文香「…!」
文香「栞を作って、事務所中に飛ばすというのは……」
P「仕事にならないからやめて!」
文香「……冗談です……ふふふ…」
文香「少しずつでも変わるのは、楽しい…ですね。プロデューサーさん」
P「そっか」
文香「はい」
P「あ、今度こそ笑ったよな?」
文香「どうでしょう」サッ
文香「…………ふふ…」
・・・・おしまい
18:◆qEJgO2U6bM:2013/10/18(金) 01:11:09.61 :3RbXpwEDO
おわりん
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