1:2014/06/18(水) 00:06:41.86 :rs+gCTue0
のあ「帰ったわ…」
のあ「みく?…みく、どこにいるの?」
のあ「そんなところに…」
のあ「ここは外界と区切られたひとつの領域…」
のあ「それを更に区切ることは日々を共有する間柄によいことではない」
のあ「…出て来なさい」
2:2014/06/18(水) 00:07:52.67 :rs+gCTue0
のあ「………」
のあ「…ご飯も買ってきたわ」
のあ「………」
のあ「…現金ね」
3:2014/06/18(水) 00:09:09.44 :rs+gCTue0
のあ「みく、貴女のごはんは今日からこれよ」
『猫缶』
のあ「そんな顔をしないの」
のあ「他者の認識は自己の輪郭を改める」
のあ「猫の矜持があるならそれらしく扱われることになれるべきだわ」
のあ「ちゃんと貴女の好みを考えてお肉系よ」
のあ「………」
のあ「缶切りは明日買ってくるわ」
4:2014/06/18(水) 00:10:28.02 :rs+gCTue0
のあ「お風呂が沸いたわね」
のあ「入るわよ、みく」
のあ「暴れないの。部屋の中にいたからと言って汚れないわけじゃない」
のあ「貴女の清潔や健康にも責任を持つ…それが飼い主というものよ」
のあ「………」
のあ「そこまで嫌がられると少し傷つくわね」
5:2014/06/18(水) 00:12:27.05 :rs+gCTue0
のあ「…いいお湯だったわ」
のあ「ほら、みく。濡れたまま歩き回ってはいけないわ」
のあ「こっちへ来なさい、拭いてあげる」
のあ「…こら、だから歩き回らないの」
6:2014/06/18(水) 00:13:53.15 :rs+gCTue0
のあ「そういえばみく、こんなものも買ってきたわ」
『首輪』
のあ「これは所有の証…貴女が道に迷ったときに帰り道を示す導となるもの」
のあ「………」
のあ「…うん、似合っているわ」
のあ「アーニャが選んでくれたの。そう、彼女、また貴女に会いたいって言っていたわ」
のあ「…あまりあっちに懐き過ぎては駄目よ」
のあ「貴女の飼い主は私なのだから」
7:2014/06/18(水) 00:15:17.52 :rs+gCTue0
のあ「…電気、消すわよ」
のあ「ちゃんと寝床に入りなさい」
のあ「どうしてこっちに来るの」
のあ「…貴女の寝床は別にちゃんと用意しているでしょう」
のあ「………」
のあ「…仕方ないわね」
のあ「おやすみなさい、みく」
8:2014/06/18(水) 00:16:26.42 :rs+gCTue0
未央「おーおー、コイツが欲しいか~?」
猫『にゃー!にゃー!』
卯月「あれ、未央ちゃん。どうしたんですかその猫ちゃん?」
未央「いやあ、道歩いてたら懐かれちゃって遊んでたんだけどね。首輪みたらさ、実は…」
のあ「…来なさい。みく」
9:2014/06/18(水) 00:17:28.43 :rs+gCTue0
猫『にゃお!』ダッ
卯月「わっ……え? のあさんの飼い猫…なんですか?」
のあ「そう…日は浅い…けど、契約は正式になされている…」
凛「いやその…名前…」
のあ「これで覚えてしまった…最初に刻まれた記憶は容易に消せるものではない」
未央「いーじゃーん!確かにどこかみくにゃんに似てることあるし♪」
10:2014/06/18(水) 00:18:09.70 :rs+gCTue0
卯月「そうですね。みくちゃーん、こっちにおいで♪」
未央「ほれほれ、みく。未央ちゃんが遊んであげよう!」
凛「み…みく。こっちこっち…」
みく「にゃにゃ?誰かみくのこと呼んだかにゃ?」
卯月「あ、前川さん」
未央「前川さんおはよー」
凛「早いね。前川さん」
みく「………」
みく「……え?ひどくない?」
12:2014/06/18(水) 00:19:30.86 :rs+gCTue0
この後のあさんは猫の飼育法をみくにゃんにレクチャーされましたとさ。
おしまい。
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403017601