【高峯のあSS】モバP「のあさんとみゆたん」

1:2013/07/07(日) 02:23:21.64 :cD68Kzd4o

※三船さんちょうきょう系SSです。
※孤高のミステリアスアイドル高峯のあ≠のあさん。

ガチャッ

美優「おはようございます……」

美優(あ……)

のあ「……おはよう」

美優「高峯さん、おはようございます。このあとレッスンなんですか?」

のあ「ええ、そうよ。……貴女は確か、Pとの打ち合わせだったかしら」

美優「はい。……じゃあ私も、ここで待たせてもらいますね」

のあ「私に断る必要はないわ……」

美優(高峯のあさん……私はまだ、この人のことをよく知らない……)

美優(みんなが言うには、変……いえ、意外とお茶目な人らしいけど)

美優(……それにしても、女の私から見てもとても綺麗だし、どこか神秘的な人……)

3:2013/07/07(日) 02:29:44.73 :cD68Kzd4o

のあ「………」 ペラッ

美優「………」 チラッ

[如月千早 大特集号! 歌姫の秘密に迫る72の質問]

美優「アイドル雑誌……お読みになるんですか?」

のあ「ええ……毎月欠かさず読んでいるわ」

美優「へえ……」

美優(研究熱心な人なんだなぁ……私も見習わなきゃ)

4:2013/07/07(日) 02:30:17.26 :cD68Kzd4o

美優(……あら?)

美優「同じ雑誌が……三つも……?」

のあ「観賞用、保存用、布教用……」

のあ「最低三つ揃えるのは基本よ」

美優「そ、そうなんですか……」

美優(観賞用と保存用はわかるけど、布教用ってなんだろう……)

美優(それに基本、って何の基本なんだろう……)

5:2013/07/07(日) 02:31:00.95 :cD68Kzd4o

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

のあ「………」 ペラッ

美優「……あの、コーヒー淹れてきますけど、お飲みになりますか?」

のあ「ありがとう……頂くわ」ニコッ

美優「はい」ニコッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

美優「――どうぞ」カチャッ

パタン

のあ「どうも……」

チラッ

美優(あ……)

6:2013/07/07(日) 02:32:11.00 :cD68Kzd4o

美優「今度は、小説ですか……?」

のあ「ええ、そうよ……」

美優「読書、お好きなんですね。ちなみに、どんな本か伺っても良いですか?」

のあ「『俺の妹がそんなに可愛くない』」

美優「……え?」

のあ「『俺の妹がそんなに可愛くない』、よ」

美優「……それが、本のタイトル……?」

のあ「そう」

美優「……どんなお話なんですか……?」

7:2013/07/07(日) 02:33:00.44 :cD68Kzd4o

のあ「あるところに二人の兄妹がいた……」

のあ「年頃の妹は兄を邪険にするものの、可愛い妹のためならと、兄は何度も妹を助けた……」

のあ「しかし、兄はふと『あれ、俺の妹って別に可愛くないんじゃね?』と気づいてしまい……」

のあ「次第に、妹への思いが冷めていく……」

のあ「そんなお話よ」

美優「……な、なんだか……悲しいお話ですね……」

のあ「そうね……ある意味悲しいわね……」

のあ「ちなみに、続編の『俺の妹はそんなに可愛くない上に友達が少ない』は――」

美優「も、もういいですっ。タイトルだけで胸が苦しくなりました……」

のあ「そう……」

美優(……変わった本もあるんだなぁ……)

8:2013/07/07(日) 02:33:40.08 :cD68Kzd4o

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

のあ「………」

パタン

のあ「ふう……」

美優(あ、読み終わったのかな……)ズズ

のあ「――ところでみゆみゆ」

美優「ぶふっ! ――ゴホッ、ゴホッ!」

のあ「大丈夫、みゆみゆ?」

美優「ゴホッ、エホッ……は、はい……」

美優(うう~……鼻にコーヒーが……)グスッ

9:2013/07/07(日) 02:34:28.67 :cD68Kzd4o

美優「あ、あの……」

のあ「なにかしら、みゆみゆ」

美優「その、『みゆみゆ』というのは……」

のあ「あなたのことだけど……いけなかったかしら?」

美優「……ですよね。いえ、いきなりそんな呼ばれ方をされたので、驚いてしまって……」

のあ「私のことも気軽に『のあさん』でも『のあたん』とでも呼んでくれて構わないわ、みゆみゆ」

美優(た、高峯さんなりの、緊張を解くためのジョークなのかな……)

美優「じゃ、じゃあ私も、のあさん、と呼ばせてもらいますね」

のあ「………」

のあ「……そう」シュン

美優(あ、あれ? ガッカリしてる……『のあたん』の方が良かったのかな……)

10:2013/07/07(日) 02:35:41.04 :cD68Kzd4o

のあ「――それで、話の続きだけれど……」

美優「あっ、そうでしたね……えと、なんですか?」

のあ「貴女、以前仁奈と一緒に動物園で仕事をしたことがあるわね……?」

美優「はい、ありますよ」

のあ「私は写真でしか知らないのだけど……あの時の衣装は」

美優「! ち、違いますよっ? あの衣装は、私も躊躇したんですけど、仕方なく……!」

のあ「でも、よく似合っていたわ」

美優「やめてください……私も、26ですし、あんな格好は……うう、思い出しただけで恥ずかしい……」

のあ「そんなことないわ……あなたはもっと自分に自信をもつべきよ」

11:2013/07/07(日) 02:36:16.06 :cD68Kzd4o

ガサゴソ

のあ「――これを見て」

美優「それは……?」

のあ「私の衣装よ」

美優「ああ、あのネコ耳の……」

のあ「いざという時のために、いつも持ち歩いているの」

美優(ど、どんな時……?)

12:2013/07/07(日) 02:36:45.13 :cD68Kzd4o

のあ「この衣装……着てみる気はない?」

美優「えっ、私が!?」

のあ「見たところ、私と貴女の体型はそう変わらないわ。きっとサイズも合うはずよ」

美優「む、無理ですよ! たしか結構露出の多い衣装だった気が……」

のあ「今この事務所には私たちしかいない。恥ずかしがる必要はないわ」

美優「いや、でも……」タジタジ

のあ「ちょっとだけ、ちょっとだけだから」グイグイ

美優「え、えぇー……」

13:2013/07/07(日) 02:37:49.55 :cD68Kzd4o

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

コンコン

のあ「――着替え、終わったかしら?」

美優『は、はい……』

ガチャッ

美優「あ、あの……」モジモジ

のあ「……良い……素晴らしいわ、みゆたん。想像以上よ。髪を下ろした貴女も素敵ね」

美優「(今度は『みゆたん』になってる……) あ、ありがとうございます……」

のあ「サイズも合っていたみたいね」

美優「あはは…… (本当はちょっとお腹がキツイけど……)」

14:2013/07/07(日) 02:38:17.23 :cD68Kzd4o

のあ「……ほら、鏡よ……」

美優「! ……や、やっぱり恥ずかしいです……こんな格好」モジモジ

のあ「胸を張りなさい、美優。自信をもつことで、貴女は今より一層輝けるわ……」

美優「はい……」

美優(確かに……今の私は、アイドルなんだから、自信をもつことは大事……)

のあ「それじゃあ、次は決めポーズの練習よ」

美優「決めポーズ!?」

15:2013/07/07(日) 02:38:43.66 :cD68Kzd4o

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

のあ「――手は、ここで、こう……」

美優「こ、こうですか……」クイッ

のあ「ええ、それでいいわ。足は……こう……」

美優「こんな感じで……」

のあ「オーケー、それよ」

のあ「――はいっ、ここでさっき教えた決め台詞っ」

美優「……ち、地球の未来にご奉仕するにゃん……!」

美優(~~~!)カァァ

のあ「グッド……ベリーグッドよ、みゆたん。何も言うことはないわ」

美優(私、なんで決めポーズの練習なんてしてるんだろう……)

16:2013/07/07(日) 02:39:13.09 :cD68Kzd4o

ヴヴヴ ヴヴヴ

のあ「ん……電話みたいね、少し席を外すわ」

美優「あ、はい……」

ガチャッ

バタンッ

美優「………」ポツーン

美優(そ、そんなに似合ってるかなぁ……)ドキドキ

17:2013/07/07(日) 02:39:40.17 :cD68Kzd4o

チョンチョン

美優(ネコ耳に……)

クルッ

美優(尻尾……)

美優(あ、今の尻尾の揺れる感じ、カワイイかも……)フリフリ

18:2013/07/07(日) 02:40:13.44 :cD68Kzd4o

美優「………」ジーッ

[ 鏡 ]

美優「……にゃん♪ ――なんて……」

ガチャッ

美優「!!!」ドッキーン

のあ「ごめんなさい、用は済んだわ」

美優「そ、そうですか……」

美優(み、見られてなかったよね……?)ドキドキ

19:2013/07/07(日) 02:40:47.58 :cD68Kzd4o

のあ「――それじゃあそろそろ脱ぎましょうか、美優」

美優「ぬ、脱ぐ!?」

のあ「……? ええ、着替えましょう、美優」

美優「あ、そ、そうですよね……」ホッ

美優(あれ……? 今、『みゆたん』じゃなくって『美優』って……)

20:2013/07/07(日) 02:41:13.47 :cD68Kzd4o

のあ「私のワガママに付きあわせてごめんなさい。誰か来るといけないから早く着替えてしまいましょう」

美優「も、もう、いいんですか……」

のあ「もう?」

美優「!! い、いえ! なんでもないです! それじゃ、着替えてきますねっ、あはは……」

美優(なんで、急に『美優』って呼ぶようになったんだろう……)

美優(……なにか、怒らせちゃったのかな……)

21:2013/07/07(日) 02:41:52.82 :cD68Kzd4o

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

美優「はい、衣装です……」

のあ「ええ、ありがとう、美優」

美優「………」シュン

のあ「……美優?」

美優「……いえ、なんでも」

ガチャッ

P「ただ今戻りました―。すいません、美優さん、お待たせしてしまって」

美優「あっ、プロデューサーさん……」

のあ「……それじゃあ、私もそろそろレッスンに向かうわ」

美優「はい……」

22:2013/07/07(日) 02:42:26.28 :cD68Kzd4o

のあ「……また明日、みゆたん」ニコッ

美優(!)

美優「……はい!」ニコッ

P「? 何か上機嫌ですね。何かいいことでもあったんですか?」

美優「ふふっ……なんでもないです♪」ニコニコ

美優(――ハッ! 私、なんで喜んで……!?)

おわり

元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373131401

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