1: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:25:04.13 ID:n8+ResfZ0
―――――事務所―――――
ｶﾞﾁｬ
本田未央「おっはようございまーす！」
渋谷凛「未央！！！」
未央「わっ！？どしたのしぶりん！そんな大きい声出して！」
凛「どうもこうもないよ！私は怒ってるんだよ！」
未央「えええ？？私、何かしちゃった？？」
凛「違う！未央にじゃなくて！あの常務に！！」
未央「じ、常務に……？」
凛「そうだよ！今の私はまさにハングリーだよ！！」
未央「しぶりんは怒ると偏差値が下がるの？」
2: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:26:03.46 ID:n8+ResfZ0
未央「ま、まあいったん落ち着いて、何があったか話してみて？」
凛「……昨日のことなんだけどさ、ライブが近いから、レッスン場で自主練してたの、1人で」
未央「うんうん」
凛「衣装も着て、さながら本番！って感じで何曲か踊り終わった時！あの憎し常務が来たんだよ。それで何て言ったと思う？」
未央「え、何て言われたの？」
凛「『渋谷、本番でそんなものを見せるつもりか？今のお前からは何も見えない。鏡でよく自分を見つめるんだな』……って！」
未央「うわぁ……キツいね……」
凛「そうでしょ？私だって別に褒められたくてやってるわけじゃないけど、あれはどうなの！」
未央「まあまあ、抑えて抑えて」
凛「いくら私がぴにゃこら太の着ぐるみを着てたからって、言っていいことと悪いことが……」
未央「待って」
3: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:27:09.24 ID:n8+ResfZ0
未央「え？着ぐるみ？」
凛「そうだよ？あ、ぴにゃこら太知らない？あの緑の」
未央「知ってるから困ってるんだよ！？」
4: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:27:51.08 ID:n8+ResfZ0
未央「しぶりんライブで着ぐるみ着るの！？」
凛「着るわけないじゃん」
未央「じゃあなんで着てたのさ！？」
凛「着たくなったからに決まってるでしょ？バカなの？」
未央「なんでそんな好戦的なの！？そりゃ常務も怒るよ！！」
5: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:28:27.77 ID:n8+ResfZ0
未央「むしろ常務は踊る着ぐるみを見てしぶりんだって見抜いたの！？めっちゃ有能じゃん！！！」
凛「でも、『本番でそんなもの（ダンス）を見せるつもりか？』は酷くない？」
未央「違うよ！『本番でそんなもの（ぴにゃこら太）を見せるつもりか？』だよ！！！」
凛「あ、でも、確かに鏡でよく見たらちょっとゴミがついてたのを見つけたから、そこは助かったかな」
未央「そこも伝わってないじゃん！もっと深い意味で言ってるよ！」
6: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:29:20.44 ID:n8+ResfZ0
凛「未央、さっきから、常務の肩を持ってない？」
未央「むしろしぶりんの肩を持つ理由がないよ」
凛「いいよ、じゃあ別の話もしてあげる。ちゃんと聞いててね」
未央「もう私の中では話半分に聞くことが確定してるんだけど」
7: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:29:56.71 ID:n8+ResfZ0
凛「あれは、今日のように暑い日のことだったんだ……」
未央「今1月だけど」
凛「ﾁｯ」
未央「舌打ちしたよね！？」
8: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:30:44.71 ID:n8+ResfZ0
凛『激しく溢れ出るこの気持ち～♪大事なこと伝えたい～♪』
ｶﾞﾁｬ
常務『精が出るな。悪くない歌声だ』
凛『ｳｨｯｽ』
常務『しかしすまないが来客が入っている。この部屋を空けてもらおうか』
凛『ｳｯｽ』ｶﾞﾁｬ
未央「しぶりん態度悪くない！？」
9: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:31:20.68 ID:n8+ResfZ0
凛「追い出されたんだよ！酷くない！？」
未央「まあ……レッスンルームからわざわざ追い出すのは確かに……」
凛「違う違う、レッスンルームじゃなくて、常務の部屋だったんだけど」
未央「なんで！？」
10: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:31:56.67 ID:n8+ResfZ0
凛「いや、空いてたから」
未央「そういう問題じゃないよ！事務所の中でよりによってそこ！？」
凛「だから違うって、事務所じゃなくて、常務の自宅の部屋ってこと」
未央「！！！？？？」
11: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:32:44.70 ID:n8+ResfZ0
未央「そりゃ追い出されるよ！！！」
凛「空いてたのに？」
未央「あるいは捕まる案件だよ！？」
未央「そんでよくサビまで待ってくれたね！？」
凛「聞き惚れてたのかな」
未央「そのメンタルを見習いたいよ」
13: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:33:36.06 ID:n8+ResfZ0
凛「悔しかったから常務の家にピザ10枚注文してやったよ」
未央「私の中のしぶりんのイメージはもうボロボロだよ」
凛「そしたら社員を家に招いてピザパーティーしたらしいんだ……」ｽﾞｰﾝ
未央「機転の利く上司の鑑！！！」
凛「しかもポケットマネーで支払って、翌日会っても何も言わないし……」ｽﾞｰｰﾝ
未央「常務の評価がうなぎ上りだよ」
14: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:34:34.08 ID:n8+ResfZ0
凛「と、言うわけで、常務をぎゃふんと言わせたいんだけど」
未央「よく改まって言えるね！？」
凛「何かいい案ないかな？」
未央「史上稀にみる逆恨みだよ」
16: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:35:19.68 ID:n8+ResfZ0
凛「奈緒と加蓮も似たような反応だったんだけど」
未央「良かった。その2人はまともなんだ」
凛「もしかして……私のこと嫌いなの！？」
未央「現在進行形でそうなりつつあるよね」
凛「ごまかさないでよ！！！」
未央「ぶっちゃけもう嫌いゾーンに片足を突っ込んでるからね！？」
17: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:36:27.88 ID:n8+ResfZ0
凛「未央じゃ話にならないね」
未央「そのまま返したいよ……」
ｶﾞﾁｬ
島村卯月「おはようございます！」
未央「あ！しまむー！」
凛「卯月！今未央と2人で常務をけちょんけちょんにする計画を立ててるんだけど、卯月も何か案はない？」
未央「私もしまむーも巻き込まないで！？」
卯月「目潰しなんてどうでしょう！」ﾋﾟｰｽ
未央「しまむー！？」
18: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:37:26.52 ID:n8+ResfZ0
凛「それは盲点だったな……（目潰しで盲目になることと盲点がかかっている）」
未央「なんか死ぬほどつまらない注釈が入らなかった？」
卯月「あとは脛ですね！じわじわとダメージを溜めるならローキックで決まりです！」
未央「しまむーの実践的なアドバイスはなんなの！？」
凛「アリだね」
未央「ナシだよ！！！」
19: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:38:27.29 ID:n8+ResfZ0
凛「じゃあ、私が右足、卯月が左足を攻めて未央が隙を見て目潰し！」
卯月「決まりですね！」
未央「決まらないから！！あとなんで私が最も怒られそうなポジションなのさ！？」
凛「リーダーだから」
卯月「リーダーですから！」
未央「こいつら……！！！」
20: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:39:11.05 ID:n8+ResfZ0
未央「そもそもしまむーは常務にそんな恨みないでしょ！？流されちゃダメだって！」
卯月「いえ、この前、体重管理に苦しむ私たちを尻目に、みんなでピザパーティーをしてたらしいです！許せません！」
未央「その原因は目の前にいるんだよ！！」
凛「ほ、本当に許せないよね……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
未央「しぶりん！！」
21: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:40:30.32 ID:n8+ResfZ0
ｺﾝｺﾝ ｶﾞﾁｬ
常務「失礼する。ニュージェネレーションズの3人はいるか」
未央「あ！常務！こ、こんにちは！」
凛「ｳｨｯｽ」
卯月「ｳｨｯｽ」
未央「2人共！！！」
22: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:41:31.45 ID:n8+ResfZ0
常務「構わん。楽にしろ」
未央（優しっ）
未央「ど、どうかしたんですか？」
常務「先月のCDの売り上げ、君たちがこの事務所で1位だったそうだ。よくやったな」
未央「あ、ありがとうございます……まさか、それを言うために？」
常務「部下の成功を褒めることも上司の役目だ。次も期待しているぞ。では失礼する」
ｶﾞﾁｬ
未央「み、短い中に称賛と激励を混ぜてスマートに去って行った……」
24: ◆i/Ay6sgovU 2016/01/29(金) 01:42:04.74 ID:n8+ResfZ0
未央「ってか2人共！なんか言いなよ！？」
凛「まあ、悪くないかな」ﾆﾔﾆﾔ
卯月「がんばります！」ﾆｺﾆｺ
未央「ちょろっ！！！？？？」
おわり
元スレ
渋谷凛「常務をぎゃふんと」本田未央「言わせたい？」
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