1:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:44:42.71 ID:R/GaQG2L0
まゆ「……ふぅ」
まゆ(今日のお仕事はこれでおしまい……)
まゆ(あとは事務所に帰って、プロデューサーさんに報告して……)
まゆ(……できたら、プロデューサーさんにお迎えしてほしかったんだけど)
まゆ(欲張りいっちゃダメですよね……)
まゆ「……」
まゆ「……あら?」
まゆ(あの車は――)
モバP「……」ガチャ
まゆ(あっ……!)
まゆ「プロデューサーさん……!」
モバP「ん……あ、お疲れ、まゆ」バタン
まゆ「うふふ、お疲れ様で――」
モバP「――すまん、急いでるんだ!」ダッ
まゆ「えっ……」
まゆ「……」
まゆ「……」
まゆ「むぅ」
3:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:46:25.11 ID:R/GaQG2L0
まゆ(迎えに来てくれたと思ったのに……)
まゆ(……でも、本当に忙しそうだったから、贅沢言っちゃダメですよね)
まゆ(車のドア閉めて、すぐ走って行っちゃったし……)
まゆ(……)
まゆ(そういえば……)
まゆ(プロデューサーさん……急いで車のドアを開けて)
まゆ(勢いよく車のドアを閉めて)
まゆ(……鍵は閉めてた?)
まゆ(……)
まゆ「……確かめたほうがいい……ですよね?」
まゆ(鍵が無いと車も動きませんけど……でも、何か大切なもの置きっぱなしかもしれませんし)
まゆ(確認しといたほうがいいですよね……?)
まゆ(……)
まゆ「……」キョロキョロ
まゆ(……まゆが盗人ってわけじゃないんですから、周りの目をはばからなくてもいいですよね)
まゆ「……」
まゆ「……!」ガチャ
まゆ(あ、開いて――)
杏「んあ?」
まゆ「えっ……?」
4:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:47:16.36 ID:R/GaQG2L0
杏「……」
まゆ「……杏ちゃん?」
杏「ん、杏だよ」
杏「どしたの、まゆ?」
まゆ「いえ……」
まゆ「プロデューサーさん、車の鍵閉めてなかったみたいだったから……」
杏「まあ、杏が中にいるからねー」
杏「鍵の代わりだよ」
まゆ「ああ……なるほど」
杏「ん、杏がいれば誰かが入ってきても大丈夫!」
まゆ「……」
杏「……いや、返事してよ」
まゆ「いえ……」
まゆ「人避けなら寝転がらないで座ってた方がいいと思いますけど」
まゆ「外から見えますから」
杏「あー……」
杏「……」
杏「……つい、寝転がりたくなって」
まゆ「……」
5:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:47:43.09 ID:R/GaQG2L0
杏「まゆも入る?」
まゆ「……この後どこに行くんですか?」
杏「事務所……というか、寮」
まゆ「ああ、帰るんですね」
杏「うん」
杏「どうせ、同じ道だし」
まゆ「そうですね……じゃあお言葉に甘えて」
杏「んー」
杏「……あ、このままじゃ入れないよね」
杏「よいしょ……っと」
まゆ「うふふ、ありがとうございます」
まゆ「それじゃ……」
杏「いらっしゃーい」
まゆ「お邪魔しまーす」
杏「ま、杏の車じゃないんだけどね」
まゆ「うふふ」
6:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:49:13.45 ID:R/GaQG2L0
まゆ「……ねぇ、杏ちゃん?」
杏「なにー?」
まゆ「杏ちゃんって、20歳になったら運転するんですかぁ?」
杏「どしたの、急に?」
まゆ「いえ、なんとなく気になって……」
杏「ふーん」
杏「運転かー……たぶんしないと思うな」
まゆ「あら」
杏「意外?」
まゆ「ええ」
まゆ「車って歩くより楽そうですし」
杏「んー……」
杏「まあ、ほら、杏って20歳になってもこんな体系だろうし」
杏「物理的に運転できなくない?」
まゆ「……」
まゆ「否定できない……」
杏「それに、車運転するのも結構疲れそうだしねー」
杏「それだったら杏は歩きでいいかなー」
杏「……というより、まゆにおんぶしてもらう」
まゆ「……もう」
7:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:49:44.50 ID:R/GaQG2L0
杏「それか、まゆの運転する車に乗せてもらう」
まゆ「まゆの、ですかぁ……?」
杏「うん」
まゆ「うーん……」
杏「……あれ、しない感じ?」
まゆ「なんというか……」
まゆ「……しなくてもいいかな、って感じですねぇ」
まゆ「今だってこうしてプロデューサーさんに送ってもらってますし」
まゆ「休日も、歩きや自転車で色々なところ行けますし」
杏「あー……確かに、杏たちが使う場面って少ないかもね」
まゆ「はい……なので」
まゆ「……うーんって感じです」
杏「そっか」
杏「じゃ、まゆの背中で我慢しよう」
まゆ「結局まゆに乗るんですねぇ……」
8:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:50:39.76 ID:R/GaQG2L0
杏「ふわぁ……」
まゆ「あら」
杏「……まあ、ほら、杏も仕事終わったばっかりだし」
杏「ちょっと眠い」
まゆ「さっきまで寝転がってましたしねぇ」
杏「まゆがこなかったら本当に深い眠りに入ってたかも」
まゆ「人避けは……?」
杏「……まあ、ほら、かもだから」
杏「たぶん大丈夫だったと思うよ、うん」
まゆ「……」
杏「ふわぁ……」
杏「……ねぇ、まゆ」
まゆ「何ですか?」
杏「寝転がってもいい?」
まゆ「……いいで――」
まゆ「――あ!」
杏「ん?」
まゆ「そういえば……さっきの撮影でこんなのもらってきたんです」ゴソゴソ
まゆ「じゃん!」
杏「……クッション?」
まゆ「はい……ハート型の……うふ」
まゆ「柔らかくて、気持ちいいんですよ、ほら」
杏「ぷにぷに……ほんとだ」
まゆ「これを枕にしたら気持ちいいんじゃないですかぁ?」
杏「……試してみようかな」
9:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:51:09.61 ID:R/GaQG2L0
まゆ「じゃあ、どうぞ?」
杏「んー」
杏「ダーイブ!」
まゆ「どうですかぁ?」
杏「……」
杏「柔らかくて、気持ちいいんだけどさ」
まゆ「はい」
杏「まゆのふとももの上においてるからさ」
杏「枕高い……」
まゆ「あっ……」
まゆ「……でも、まゆ……これ以上横には行けませんよ?」
杏「じゃあ、枕をどけて……ごろんっと」
まゆ「きゃっ!」
杏「やっぱりまゆ枕だよね……へへ」
杏「この枕があればほかの枕はいらないと思うなー……」
まゆ「……もう」
まゆ「まゆの足が痺れちゃいます……うふ」
10:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:51:54.99 ID:R/GaQG2L0
杏「ふぃ~……極楽極楽……」
まゆ「……♪」
杏「まゆー……飴ちょうだい」
まゆ「今は持ってきてませんねぇ」
杏「えー……」
まゆ「今日杏ちゃんと別のお仕事でしたし……」
杏「……残念だ」
杏「……あ」
杏「プロデューサー、かばん置いてってたりしない?」
まゆ「かばんですか……?」
まゆ「……あ、助手席にありますね」
杏「その中に飴入ってると思うからさ」
杏「取って♪」
まゆ「……えー」
杏「……いや、いいじゃん」
杏「それ取るだけだからさ」
まゆ「でも、プロデューサーさんのかばんですし……」
まゆ「勝手にいじるのは……」
まゆ(……ちょっと気になるけど)
杏「……」
杏「……さっき、プロデューサーが食べたくなったら取ってもいいって言ってたよ」
まゆ「嘘ですよねぇ」
杏「……バレた?」
まゆ「さすがにわかります」
11:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:52:52.63 ID:R/GaQG2L0
杏「……ダメ?」
まゆ「……」
杏「ねー、ダメ?」
まゆ「……うぅ」
杏「まゆー、お願いー」
まゆ「うぅぅ……」
杏「あっ、これ押せばいける奴だ」
まゆ「えっ?」
杏「あっ」
まゆ「……」
杏「……」
杏「……ほら、杏ってアマノジャクだから」
杏「今口に出したのはその正反対の言葉であって――」
まゆ「――我慢しましょうねぇ」
杏「……うぅ」
杏「油断してた……くそう……」
まゆ「うふふ、残念でしたねぇ」
杏「それもこれもこのまゆ枕のせいだー!」
杏「おのれー!」
杏「きもちいいぞー!」
まゆ「……」
まゆ「……ちょっと恥ずかしいですねぇ」
12:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:53:22.01 ID:R/GaQG2L0
モバP「ふぅ……」ガチャ
モバP「お待たせ、杏――」
モバP「――と、まゆ?」
まゆ「うふ、お邪魔してます」
杏「侵入されちゃった」
モバP「いや、まゆなら別にいいんだけどさ」
まゆ「ごめんなさい、プロデューサーさん」
まゆ「プロデューサーさんが車の鍵閉めたかどうか心配で……つい開けちゃいました」
モバP「ああ、そうだったのか」
モバP「杏から開けたわけじゃないんだな」
まゆ「杏ちゃんは外から見えませんでしたから」
杏「杏、寝てたし」
モバP「……まあ、そっか」
まゆ「プロデューサーさん、急いでたみたいだったので……声もかけられず……」
モバP「ああ、悪い」
モバP「……じゃ、改めて」
モバP「今日の仕事お疲れ様、まゆ」
まゆ「うふふ、ありがとうございます」
13:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:54:03.69 ID:R/GaQG2L0
モバP「それじゃ、出発するぞ」
まゆ「……あ、その前に……プロデューサーさん」
モバP「ん?」
まゆ「かばんの中に飴……入ってるんですよねぇ?」
モバP「ああ……杏か?」
まゆ「はい……もらっていいですかぁ?」
モバP「ん……じゃ、渡すから勝手に取ってくれ」
まゆ「えっ……」
まゆ「……いいんですか?」
モバP「ああ、そんなに恥ずかしいものが入ってるわけでもないし」
まゆ「……わかりました」
杏「……よかったね」
まゆ「いやっ、別に、まゆは見たかったわけじゃ……!」
モバP「じゃ、出発するぞー」
杏「はーい!」
まゆ「あ、はいっ!」
14:◆6QdCQg5S.DlH:2016/06/15(水) 20:55:55.93 ID:R/GaQG2L0
まゆ「えっと……じゃあ、中見ますねぇ」
モバP「あいよー」
まゆ「……」ゴソゴソ
まゆ「……あっ」
まゆ「プロデューサーさん、このペン使ってるんだ……」
まゆ「まゆも使おうかな……おそろい……うふふっ」
杏「まゆー」
まゆ「はっ!」
まゆ「えっと飴……あ、あった」
まゆ「はい、あーん」
杏「あーん……」
杏「んー……うまー」
杏「いやー、まゆ枕に寝転びながら飴も舐めれてなおかつ移動もできるなんて」
杏「最高だー!」
まゆ「うふふ♪」
おわり