【四条貴音SS】貴音「無自覚な、初恋」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:09:39.95 ID:Qh2XvoIzO
どうしてなのでしょうか。最近、あの方と共に居ると、ふと苦しくなる時がある。
ですが、嫌な気はしません。むしろ、心地好く感じるのです。
己の部屋から見える月をベッドから見上げ、今はここにいない、あの方を思い浮かべる。

貴音「…あなた様」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:13:35.83 ID:Qh2XvoIzO
次の日、わたくしはあの方と数回めの『おーでぃしょん』へと挑みました。

結果は合格。二位の方とは、差があまりなく、ギリギリの合格だったそうです。ふふっ、あの時の、あの方の喜び様といったら…。ですが、

貴音「…わたくしも、他人の事は言えませんね」クスクス

あの時の番組を、ひとりで録画をしたのは、わたくしだけの、とっぷしーくれっと。

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:17:50.15 ID:Qh2XvoIzO
『おーでぃしょん』に合格したお祝いにと、あの方は『らぁめん』をご馳走してくださいました。思えば、わたくしがこの『らぁめん』を好む様になったのも、あの方との出逢いがきっかけでした。

貴音「…ふふっ。あなた様?あなた様は、わたくしを変えてしまったのですよ?」

今も、あの方と食べた、初めての『らぁめん』は、トクベツ。

貴音「…ふふっ、」モグモグ

…ですが、トクベツでなくとも、らぁめんはまこと美味なものです。

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:22:18.59 ID:Qh2XvoIzO
そして、あの『おーでぃしょん』から数日経ったある日、あの方は少々興奮した様子で、わたくしに仰いました。

貴音「…てれびどらまの、ひろいん」

それが、わたくしの、わたくしたちの、転機でした。

貴音「…」

あの方は、いつものようにわたくしを説き伏せ、てれびどらまの監督からの、おふぁーを受ける旨を伝えていました。

その内容も、見ぬまま。

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:26:06.92 ID:Qh2XvoIzO
その数日後、あの方はわたくしに仰いました。

貴音「…きす…しーん…」

そう。そのてれびどらまは、きすしーんがありました。あの方は、それを事前に聞いていなかった様で、少々その監督に怒りの電話をしようとしていました。
ですが、

貴音「…構いません。わたくしは、あいどる、なのです」

わたくしは、あの方を止めました。

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:28:57.85 ID:Qh2XvoIzO
『あいどる』
それは、あの方とわたくしを繋げているもの。その時のわたくしは、その繋がりが消えてしまうのを恐れておりました。

貴音「…構いませんよ?ふふっ、安心してください」

その時のあの方の顔は…とても辛そうでした。

わたくしも

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:33:51.44 ID:Qh2XvoIzO
そして、てれびどらまの最初のろけが次の日に迫った夜、あの方はわたくしに仰いました

すまない

と。
わたくしは、その時の心情を思い出す事が出来ません。何故ならば、

あの方が、泣いていたから

わたくしはその日、初めてあの方の涙を見ました。すまない、と涙を流しながら、わたくしの瞳を見つめるあの方

貴音「…」クスッ

今でもあの方のその顔は、思い出すことが出来ます。

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:36:43.95 ID:Qh2XvoIzO
そして、てれびどらまのろけが始まりました。わたくしとあの方は、監督や他の出演者に挨拶を済ませます。

そして、

ろけが始まりました。主役の殿方を見るあの方の顔は、とても言葉では表せないような切なそうな顔をしておりました。

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:39:25.41 ID:Qh2XvoIzO
そして順調に撮影も進み、件の『きすしーん』を撮る日がやって参りました。

貴音「…行って参ります」

わたくしは、その一言。ただ一言を、あの方に伝え、あの方の見ている前で、演技を行いました。

大丈夫。わたくしは、大丈夫。

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:45:24.97 ID:Qh2XvoIzO
物語のくらいまっくす。『きすしーん』の収録。

主役の殿方と、あと少しでくちびるが触れ合いそうになった時。

ポロ…ポロ…

何故でしょうか。わたくしは、涙が止まらなくなってしまったのです。

後から聞くと、それはその場に居た全員が、息を飲む程…美しかったそうです。
そして、それを見た監督が一言。

くらんくあっぷ

その一言は、その場に居た全員を驚かせました。
それもそうでしょう。

そのてれびどらまにとって、最も重要なしーんを飛ばしたのですから。

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:52:23.88 ID:Qh2XvoIzO
あの方は、表情にこそ出していませんでしたが、安心していた様です。
握り締めた拳が、震えていたのですから。

収録を終えたわたくしは、あの方の所へと戻りました。綺麗な、身体のまま。

その時のあの方の言葉。そのただ一言が、嬉しかったのを憶えております。わたくしの、今までのどのような言葉よりも、嬉しかった言葉。

『お帰り。貴音』

その顔は、また、泣き顔でした。ですが、わたくしは、その時に気付いてしまったのです。
自分の、気持ちに。

今まで、自覚が無かったある感情。恋心。

それを感じた時、つい、言葉に出してしまいました。

貴音「…無自覚な、初恋」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:55:54.35 ID:Qh2XvoIzO
そして、今。

どうしてなのでしょうか。最近、あの方と共に居ると、ふと苦しくなる時がある。
ですが、嫌な気はしません。むしろ、心地好く感じるのです。
己の部屋から見える月をベッドから見上げ、今はここにいない、あの方を思い浮かべる。

ですが、今のわたくしは、自覚をしております。

これは、わたくしの『初恋』なのだ、と。

ふふっ。あなた様?わたくしは、自覚をしてしまいましたよ?
明日から、お覚悟を、してくださいませね?

四条貴音の、
無自覚な、初恋

おわり

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 20:57:43.43 ID:Qh2XvoIzO
ここまで、ありがとうございました
地の文は難しいね

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:01:35.55 ID:Qh2XvoIzO
P「なぁ、貴音」

貴音「…ふふっ、なんでしょう。あなた様」ギュー

P「…いや、な?これは、何だ?」クイックイッ

貴音「…はて。わたくしの、て、ですが」キュッ

P「それは分かるんだが…何で朝から離してくれないんだ?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:04:12.03 ID:Qh2XvoIzO
貴音「…ふふっ。いいではありませんか。それともあなた様は、わたくしにこうされるのは、お嫌…ですか?」キュッ、ウルウル

P「嫌じゃ、無いけどさ」

貴音「ふふっ。では、今しばらくはこのまま、という事で」クスクス

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:07:40.32 ID:Qh2XvoIzO
貴音「…あなた様?あの時のあなた様の涙、わたくしは決して忘れませんよ?」ボソッ

P「…」

貴音「…だって、わたくしはもうあなた様をお慕いしてしまったのですから♪」ギュー

四条貴音の、
自覚のある、初恋
おわり

貴音「…それと…わたくしのくちびるは、既にあなた様専用、ですよ?」

貴音「ちゅっ」チュッ

おわり?

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:11:55.59 ID:Qh2XvoIzO
よーし!パパ、どんどん書いちゃうぞー!

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:13:49.24 ID:Qh2XvoIzO
あずさ「あらあら、プロデューサーさんったら。うふふ」

寝ている横顔は、どこか子供っぽいあの人。私の大切なプロデューサーさん。

あずさ「…ふふっ。イタズラしちゃおうかしら」ツンツン、ツンツン

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:15:28.19 ID:Qh2XvoIzO
パパ、イチャコラ書きたいんだ。ごめんね

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:17:44.00 ID:Qh2XvoIzO
P「んっ…うんん…」モゾモゾ

あずさ「ふふっ。かわいい」ツンツン、ツンツン

あずさ「…」キョロキョロ、

今、私とプロデューサーさんしかいないのよね?

あずさ「…横、失礼しますね?」スッ、

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:19:24.49 ID:Qh2XvoIzO
小鳥さんのイスを借りて、プロデューサーさんにくっついてみる。

あずさ「うふふ。あったかい」ニコニコ

P「んん…ん?」パチッ

あら?起きちゃったかな?

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:21:15.99 ID:Qh2XvoIzO
P「小鳥さん?…って、あ、あずささん!?」

うふふ。慌てるプロデューサーさんも可愛い。

あずさ「…はい。おはようございます。プロデューサーさん」ツンツン、ツンツン

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:25:19.22 ID:Qh2XvoIzO
P「どうしたんですか?って、ツンツンしないでくださいよー。くすぐったいです」

あずさ「うふふ。子どもみたいで可愛いですよ?」ナデナデ、ナデナデ

ちょっとお姉さんぶって、なでなでしてみる。慌てるプロデューサーさんって、何か新鮮

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:28:26.10 ID:Qh2XvoIzO
あずさ「…」スッ、

でも、何だか少し寂しくなって、プロデューサーさんから離れる。

P「あずささん?どうしたんですか?」

…やだ。

P「あずささん?」

私は、あなたにそう呼ばれたくない。私が、あなたに呼んでほしいのは

あずさ「あずさ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:32:57.86 ID:Qh2XvoIzO
あずさ「あずさ、って呼んでください…」トテトテトテ、ギュッ

何だか寂しくなって、少し離れてみたけれど

それだと、さっきより寂しくなって、抱き着いてしまった

P「あずささん?ちょっ!近いですって!」アタフタ、アタフタ、

あずさ「…あずさ、です。そう呼んでくれるまで、離れません」

子どもみたいなワガママ。だけど、今はワガママもいいかな、って思う

だって、私たちしか、いないんですもの。
皆のお姉さん、じゃない

素の、三浦あずさでいてもいい。今だけ

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:38:04.62 ID:Qh2XvoIzO
あずさ「…ふふっ。なんて、ね」スッ、

だけど、今の私はちょっぴり勇気が足りないみたい。

あずさ「…うふふ。びっくりしました?」ニコニコ

P「…」

プロデューサーさんは何も言わない。もしかして、怒っちゃった?

あずさ「…あの…プロデューサーさん?怒って…ます?」

どうしよう。プロデューサーさんが怒っちゃった…。

あずさ「…あの、」チラッ

あれ?プロデューサーさんがいない。どこに行ったのかしら…

P「あずさ」スッ、

プロデューサーさんの私を呼ぶ声がして、後ろから抱き締められる

ふふっ。ホントに、子どもみたいなんですから

三浦あずさのいたずら篇~
おわり

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/05/16(水) 21:39:30.29 ID:Qh2XvoIzO
イチャコラも書きたかった。後悔も反省もしていない
ありがとうございました

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