【菊地真SS】真「気持ち悪いんだよ、雪歩はっ!」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 00:39:08.45 ID:ox27pDhM0
真「ごめん雪歩っ!ま、待った?」

雪歩「ま、真ちゃんこそ…大丈夫?」

真「へーきへーき!ちょっと走ってきたくらいだから!」

雪歩「ごめんね…せっかくの日曜日なのに…」

真「だから大丈夫だって!さっ、早く中にはいろっ!」

雪歩「う、うん…」

真「…雪歩、元気ないね…相談って、そんなに重大な事なの?」

雪歩「…喫茶店に入ったら、話すから…」

真「う、うん…」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 00:42:31.14 ID:ox27pDhM0
真「……」

雪歩「……」

真「な、何か注文しよっか!すいませーん!」

ウェイター「はい、ご注文はお決まりですか?」

真「えっと…僕はオレンジジュースで!雪歩は?」

雪歩「私…いい…」

真「そ、そうかぁ…じゃあそれで!」

雪歩「……」

真「……」ズズー

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 00:47:02.99 ID:ox27pDhM0
真「…あの、雪歩…相談って、なに?」

雪歩「…真ちゃん、真ちゃんはこの事…誰にも言わないって約束できる?」

真「へ?」

雪歩「あのっ…これから話す事、どんな事話したって…!わ、私の事…友達って思ってくれるかな…嫌ったり、しないかな…?」

真「…もっ、もちろんだよ!どんな事があったって、雪歩を嫌ったりなんてしないさ!僕はそんな薄情な事しないもんっ!」

雪歩「…じゃあ、話すね…ホントのホントにっ…嫌いになったりとか…しない?」

真「心配症だなぁ雪歩は…」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 00:53:57.45 ID:ox27pDhM0
雪歩「……あのね…」
 
 「……好きなひと、できたの」

真「…え?」

雪歩「…それも…そのっ…真、ちゃん?どうしたの?」

真「……誰だよ」

雪歩「え?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 00:58:44.07 ID:ox27pDhM0
真「…雪歩が好きになった人って誰なんだよ?…教えてよ」

雪歩「ま、真ちゃん?」

真「いいから教えろよっ!」ダンッ

雪歩「ひぅううっ!?」ビクッ

真「…っ!ご、ごめんね雪歩…それで、誰なの?」

雪歩「あうぅ…あ、あのね…… 四条、さん…なの…」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:06:09.73 ID:ox27pDhM0
雪歩「…やっぱり、変だよね…女の人、好きになるなんて…」

雪歩「でもっ…一緒にいると、なんだか胸がいっぱいになってっ…」

雪歩「気が付くと四条さんの事ばっか考えてて…四条さんの事ばっかり見てたの…」

雪歩「…やっぱり、私…おかしいのかな…」

真「……」

雪歩「ま、真ちゃん…あの…」

真「…おかしいに決まってるじゃないか」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:10:18.78 ID:ox27pDhM0
雪歩「…っ!」

真「そういうの何て言うか知ってる?レズビアンって言うんだよ」

雪歩「う、うぅ…で、でもっ…」

真「女の人が女の人好きになるだなんて…気持ち悪いよ、雪歩」

雪歩「…!!」

真「貴音にも迷惑かかるだろうし…そういうのやめた方がいいんじゃない、雪歩?」

雪歩「…迷惑…」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:16:23.55 ID:ox27pDhM0
真「…また泣いてる」

雪歩「ひぐっ…うっ…」

真「雪歩、いい?この事、他の人には絶対に話さないから…」

雪歩「えっ…えぐっ…まこと、ちゃんっ…わたしっ…」

真「…もう行くから」

カランカラン

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:22:55.00 ID:ox27pDhM0
真母「真?随分早かったのね。お昼ご飯食べる?」

真「…いいよ、食べて来たから」

真母「もう食べたの?今日は雪歩ちゃんと買い物に行くって…」

真「うん、ちょっとね…」

真母「どうしたのかしらあの子…?」

真「……」パタン

真「…ぐっ…うっ…ゆき、ほっ…うぅっ…ぐすっ…」

真「何でだよっ…何でっ…」 

 「僕じゃないんだよっ…」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:30:10.69 ID:ox27pDhM0
真「ずっと…ずっと一緒だったのに…」

真「何でっ…何で…ひどいよ、こんなのひどすぎるよっ…」

真「雪歩…うぅっ…ひぐっ…」

ピピピッ

真「うぅ…携帯…雪歩からっ!?」

真「ゆっ、雪歩っ!」ピッ

雪歩『真、ちゃん…』

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:38:24.41 ID:ox27pDhM0
真「…雪歩、あの…さっきはごめんね。言い過ぎちゃって…でもね」

雪歩『…うん私、変、なんだよね…』

真「……」

雪歩『やめた方がいいって…おかしいって事だよね…』

真「…うん。あのっ…きっと貴音も困っちゃうよ、いきなりそんな事言われたらさっ!」

雪歩『…そうだよね、迷惑だよね…』

真「雪歩はさ、そういう少女漫画のとかの読みすぎだよ!多分何かの勘違いなんだって!」

雪歩『…!そっ、そんなんじゃないよっ!』

真「!」

雪歩『四条さんを好きになったのは、ぜ、絶対漫画なんかのせいじゃっ…』

真「…っ!だからっ!それはおかしいって言ってるじゃないかっ!」

雪歩『ひぅっ!?』

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:42:32.54 ID:ox27pDhM0
真「さっきも言ったじゃないかっ!そういうのはレズビアンって言うんだって!」

真「それなのに…まだ好きとかなんとか言ってっ…」

真「気持ち悪いんだよ、雪歩はっ!」

雪歩『っ…!』

真「はぁっ…はぁっ…もう切るからね!」プツッ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:50:06.46 ID:ox27pDhM0
真「…ひどいこと、言っちゃった…雪歩、泣いてるかなぁ…」

真「……漫画のせいなんかじゃないって…あんなに強く…」

真「ぅ…ひぐっ…くぅっ、ふぐぅっ…雪歩っ…何でだよっ…」

あ、やばい寝そう

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 01:55:58.29 ID:ox27pDhM0
真「…おはようございまーす…」

響「おー、真おはよー!あれ、雪歩は一緒じゃないのかー?」

美希「あっ、真クン!ここクマ出来てるのー!」

真「ごめん…何だかすごく疲れちゃって…」

春香「? 何かあったの真?」

真「そ、そんな大した事じゃないよ!あはは」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:03:01.96 ID:ox27pDhM0
貴音「あの…真?」

真「!…貴音、どうしたの?」

貴音「先ほど響が申しておりましたが…雪歩はどうしました?今日は来ないのですか?」

真「……う、うーん…土日と会って無かったから…」

貴音「そうですか…その言葉、偽りありませんね?」

真「な、何だよ貴音…?」

貴音「……わかりました。今日は一緒にれっすんの約束をしていたのですが…心配ですね」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:16:32.14 ID:ox27pDhM0
雪歩「…おはようございますぅ…」ガチャ

貴音「雪歩…どうしたのですか?少し遅れたようですが」

雪歩「あぅ…四条さん…な、何でもないですぅっ」タタッ

貴音「あ…」

春香「雪歩?…真、雪歩おかしくない?」

真「う、うん…何でだろうね…」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:27:44.47 ID:ox27pDhM0
雪歩(…気持ちわるい…私、気持ち悪いんだ…)

雪歩(四条さんが好きだって気持ちも全部…きっと迷惑なんだ…)

貴音「雪歩?」

雪歩「ひっ…し、四条さん…」

貴音「おや、お茶を変えましたか…誠、雪歩の淹れるお茶はよき香りです」

雪歩「あ、あぅ…」

貴音「? 雪歩?」

雪歩「……」スッ

貴音「雪歩?あの…」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:41:24.39 ID:ox27pDhM0
P「えーと、今日の予定は貴音と雪歩が午前中にレッスンと、響がPV撮影、真が営業…」

雪歩「……」

P「? 雪歩、調子悪いのか?」

雪歩「い、いえそんなこと…」

P「身体に異常があるようだったら早めに切り上げてもいいんだぞ?」

雪歩「いえ、大丈夫ですっ」

真(…雪歩…ごめんね…)

P「真?おーい真ー?」

真「は、はいっ!」

P「お前も大丈夫か?ぼーってしてたが…」

真「だ、大丈夫ですよっ!今日もバリバリ頑張っちゃいますっ!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:48:13.48 ID:ox27pDhM0
―――夕方―――

貴音「…真、少し聞きたい事があるのです…よろしいですか?」

真「え…あ、ごめん貴音、今ちょうど帰るところでさ…本当にゴメンっ!」

貴音「わがままを申す様ですが、今すぐに聞きたいのです。どうか…」

真「わわっ、そんなに頭下げないでよっ!…わ、わかったってば!」

貴音「…感謝いたします。では、余り人に聞かれたくない事ゆえ…こちらへ」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 02:54:55.04 ID:ox27pDhM0
貴音「話と言うのは…もう気づいているかもしれませんが、雪歩の事です」

真「……」

貴音「今日一日、まるで別人の様によそよそしく…れっすんの最中も顔を俯かせて私の顔を見ようともしてくれません」

貴音「…私は、何か雪歩の気に障る様な事をしてしまったのでしょうか…」

真「そ、そんなつらそうな顔しなくても…」

貴音「雪歩は…あの子の泣き顔は余り見たくないのです。お願いです、雪歩と常日頃仲の良い貴方なら何かしら知っているのではと思い…」

真(貴音…こんなに必死になって…)

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:00:36.95 ID:ox27pDhM0
真(何でだよっ…僕の方が、貴音の何倍も何倍も苦しいに決まってるのに…)

真(何でこんなに、胸が苦しいんだよ…)

真「…ごめん。やっぱわかんないや…」

貴音「そうですか…」

真「ま、また雪歩に聞いてみるよ!元気出して、雪歩も今日は調子悪かっただけだって」

貴音「そうだといいのですが…もし何か私に落ち度があったら…」

真「うん、大丈夫。雪歩にはちゃんと伝えとくから!」

貴音「誠ですか?では、よろしく…ありがたく存じます、真」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:05:00.62 ID:ox27pDhM0
パタン

真「……」

雪歩「あ…真、ちゃん…私帰るね。…昨日はごめんね」

真「雪歩…」

雪歩「な、なに?…ひゃっ、真、ちゃん?手…」

真「…一緒に帰ろう?」グイッ

雪歩「う、うん…」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:18:10.40 ID:ox27pDhM0
真(雪歩の手…あったかいな…)

雪歩「…えへへ、何だかこうやって手つないでもらうの、久しぶりだね」

真「うん…確か前は、番組の撮影でお化け屋敷に入って…雪歩が泣き出しちゃったんだよね」

雪歩「は、恥ずかしいなぁ…」

真「雪歩は泣き虫だもんねー。こうやって繋いでないとパニくってどこ行くかわかんないよ、へへっ」

雪歩「そ、そんなぁー…私そんな泣き虫に…そうだよね…あはは…」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:24:16.60 ID:ox27pDhM0
真「あ、ここの交差点でお別れだね」

雪歩「こんなとこまで、ありがとう真ちゃん。さよなら」

真「うん!またねー!」タタッ

雪歩「……あのねっ、真ちゃんっ…あのことっ…もう行っちゃった…」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:30:22.77 ID:ox27pDhM0
タッタッタッタ…

真「はぁっ、はぁっ、はぁっ…何で、何でもう息が上がっちゃうんだよっ…」ゼェゼェ

真「泣いてる顔なんて…雪歩に見せられないじゃないかっ…うっ…ひぐっ…うぅっ…」

真「うぇええっ…いやだよ…雪歩の隣に居られないなんてっ…やだよっ…」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:34:49.47 ID:ox27pDhM0
真父「ただいまー。あれ、真はどうしたんだ?」

真母「帰るなりロクにご飯も食べずに寝ちゃいましたよ」

真父「思春期ってヤツかねぇ…」

――――――

真(………)

真(…あははっ…何だよ…雪歩のこと、変だとかおかしいとか散々言っといて)

真(一番変だったのは僕じゃないか)

真(…僕は…雪歩の事が、ずっと前から…)

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:41:15.54 ID:ox27pDhM0
真(…言わなきゃ…)

真(雪歩に言わなきゃ…好きだって。そばにいなきゃ、どうにかなりそうだって…)

真(雪歩が貴音を好きな気持ちより、何倍も何倍も好きだって…ちゃんと伝えなきゃ…)

真「雪歩…好き…」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:48:12.64 ID:ox27pDhM0
その日僕は新しい服に着替えて事務所に行った。

春香「あ、おはよう真。服変えたんだね、似合ってるよー!」

春香が、僕の服を褒めてくれた。僕は、その時どんな顔をしていたんだろう?

真「へへっ、春香もそう思う?」

春香「うん、何だか今までの真の新しい服って…何だか勘違いしたみたいのが」

真「か、勘違いって何だよ勘違いって!」

春香「ご、ごめんっ!でもっ、今の真の服って…何ていうか、すごく自然で可愛いっていうか…」

真「ほ、ほんと?えへへ…」

きっと恥ずかしいくらいに、にやけた自慢顔だったんだろう。

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 03:53:45.49 ID:ox27pDhM0
僕は、雪歩の姿を探した。休憩室には、いなかった。給湯室でお茶を淹れているのかと思ったら、そこにもいなかった。

真「おっかしいなぁ…どこに行ったんだろう?」

自動販売機の前にも。事務室にも雪歩はいなかった。

真「雪歩ー?…今日は、来てないのかな?」

僕は、最後に残った場所…屋上への階段を上っていた。…ここは、雪歩がよく来てはこっそり泣いていた場所だったから…
そこにいなければ、誰かに今日来たかを聞くつもりだったんだ。

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:00:54.75 ID:ox27pDhM0
真「?…開いてる?やっぱりまた泣いてるのかなぁ…」

ステンレス製のドアが、風にきぃきぃと音を立てていた。
――雪歩がもしまた泣いてたら…謝ろう。そして、何倍も、何倍も、何倍も好きだって…はっきり伝えるんだ。
僕はそう誓って、ゆっくりと扉を開けた。

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:06:18.79 ID:ox27pDhM0
そこには、雪歩が立っていた。銀色の髪が、雪歩の柔らかい髪に覆いかぶさっていた。

貴音は、雪歩の背中にぐるりと腕を回していて、赤い瞳はじっと雪歩を見つめていた。

雪歩は腕をだらりと人形みたいに下げて、でも顔はしっかりと貴音の方を見上げていた。

二人とも、僕には全く気付いてないみたいだった。

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:12:45.04 ID:ox27pDhM0
貴音が、ゆっくりと雪歩の横顔に手を添える。雪歩はそれに従って、少しだけ眩しそうにまぶたを閉じた。

ゆっくり、とてもゆっくりと二人の顔が近づく。ゆっくりと…時間が止まったみたいに。

ざぁっと風が吹いて、貴音の長い髪が僕の視界から雪歩の顔を隠した。その先は知らない。

真「…うっ…ひぐっ…うぇっ…くぅっ…」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:25:01.24 ID:ox27pDhM0
僕は泣いた。いくらでも涙が出てきた。

真「うぇえええっ…ゆき、ほぉっ…やだよう…こんなのっ…やだよっ…」

買ったばかりの服の裾が、鼻水と涙でぐちゃぐちゃに濡れてもずっと泣き続けた。

真「ゆきほっ…いやだよ…そばにいてよっ…ひくっ…うぁあっ」

…でも、しばらく泣いたら涙も出なくなった。僕はまるで抜け殻みたくなって、ドアを背にしてうなだれていた。

「…起きなさい、真」

声がした方を見上げると、赤い瞳が僕をじっと見据えていた。

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:34:56.78 ID:ox27pDhM0
貴音「雪歩は、別の扉から帰らせました」

真「……」

貴音「…雪歩の事を…好いていたのですね」

真「……」

貴音「…ごめんなさい」

真「…何で、謝るんだよ…」

貴音「…ごめんなさい」

真「謝るなよっ…謝ったら…謝られたらっ…どんな顔すればいいんだよっ!」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:45:24.90 ID:ox27pDhM0
貴音「!…真っ」

真「貴音の馬鹿!ばかっばかっばかっ!雪歩をかえせよっ!かえせったらー!」

貴音「っ……」

真「う、ふぅっ…っ!」

貴音「っ、真!」

馬鹿だな、そんな事言っても雪歩が隣に返ってくるわけないのに。僕は、事務所の扉をけ破るようにして開けると、そのまま走り出した。

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:55:05.38 ID:ox27pDhM0
真「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

真「あ、あははは…やっぱ泣いてるとうまく走れないや…」

真「……携帯…お仕事ほっぽり出しちゃったから…お叱りの電話かな」ピッ

雪歩『ま、真…ちゃんっ!?今どこっ!?』

真「ゆ、雪歩…」

雪歩『いきなり走り出しちゃって…全然見つかんなくって…きゃっ!』

真「うわっ!?…いてて…雪歩っ!?な、何でこんなところにっ?」

雪歩「ま、真ちゃぁん…よかった…よかったよぅ…ふぇええっ」グスッ

真「…また、泣かせちゃった…ご、ごめんね雪歩」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 04:59:58.79 ID:ox27pDhM0
真「…あの…雪歩、ごめんね…わざわざこんな所まで…」

雪歩「…真ちゃん…真ちゃんにね、言いたい事があるの」

真「…うん」

雪歩「し、四条さんにね…好き、て言っちゃった……」

真「……」

雪歩「そ、その…内緒にしてほしいんだけど…い、いいって…言ってくれたの…」

真「…そうなんだ。よかったね、雪歩」

雪歩「ふぇっ!?よ、よかった…って?」

真「そのまんまだよ。…気持ち悪いなんて言ってごめん…おめでとう、雪歩」

雪歩「う、うんっ!ありがとう真ちゃんっ!」ギュッ

真「あははっ、雪歩から手を握ってくれるなんて珍しいね」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 05:03:31.99 ID:ox27pDhM0
きっと、これで最後なんだろう。こうして手を握るのも。

雪歩「真ちゃん、ありがとう…」

きっと雪歩の笑顔を隣で見るのも。

雪歩「これからも、ずっと…友達で、いてくれる、かな…?」

雪歩の手のぬくもりを肌で感じながら、僕はとびっきりの笑顔を、雪歩に返した。

完 もうムリ。ドロドロにする予定だったが無理だった

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/04/16(月) 05:41:12.20 ID:LarPlA8+i

これは精神衛生上よろしくない

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