【アイマス】響「ねぇねぇたかね」 貴音「何ですか、響」【SS】

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:39:35 ID:PIJa0xZ80
響「あーやっとレッスン終わったぞー。もうくたくた……」

貴音「お帰りなさい、響」

響「あれ? 貴音だけ?」

貴音「ええ」

響「ふーん……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:46:30 ID:PIJa0xZ80
貴音「響? これがどういう……?」

響「…………」テクテク

貴音「…………」

響「……ん、しょっと」ボスッ

貴音「…………」

響「…………」

貴音「……あの、響」

響「ん?」

貴音「いえ、あの……いくら響が小柄といえど……流石に膝の上に乗られると、その、重いのですが……」

響「あーっ。自分だって一応女の子なのに、重いとかひどいぞ。たかね」

貴音「いや、そう言われましても……。あと、響の髪が鼻に当たってこそばゆいです」

響「もー。たかねはわがままなんだから……」

貴音「そういう問題ではないと思うのですが……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:53:54 ID:PIJa0xZ80
響「仕方ないなあ、たかねは」

貴音「何か腑に落ちないものを感じます」

響「じゃあ椅子に座ったまま、ちょっと足を左右に開いてみて」

貴音「こう……ですか?」ススッ

響「そうそう。で、自分がこうすれば……」ストン

貴音「…………」

響「ね?」

貴音「いや、あの」

響「何? まだ何か文句あるの?」

貴音「いえ、文句というかですね……響」

響「うん」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:56:01 ID:PIJa0xZ80
貴音「今のこの体勢」

響「うん」

貴音「一つの椅子の上に、私と響が前後に密着した状態で座っているわけで」

響「うん」

貴音「より具体的に言うと、私が左右に足を開いていて、その間に響が収まっているという構図なのですが」

響「うん」

貴音「見ようによっては……いや、どう見ても……怪しい体勢に見えると思うのですが」

響「大丈夫だぞ」

貴音「何が大丈夫なのですか」

響「だって今、ここには自分とたかねの二人しかいないんだから」

貴音「…………」

響「誰にも見られないんだから、何の問題も無いさー」

貴音「……もう。仕方のない子ですね、響は」

響「えへへ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 22:59:57 ID:PIJa0xZ80
響「ねぇねぇたかね」

貴音「何ですか、響」

響「ちょっとさ、もたれてもいい?」

貴音「……いいですよ」

響「えへへ」ポフッ

貴音「響は私と二人きりになると、途端に甘えん坊になりますね」

響「だって、たかねだもん」

貴音「まったく……普段の完璧な響はどこへいってしまったのでしょう」

響「いいじゃん、今は……。どうせ、自分とたかねの二人しかいないんだからさ」

貴音「もう、仕方ないですね」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:03:01 ID:PIJa0xZ80
響「ねぇねぇたかね」

貴音「何ですか、響」

響「あのさ、髪……梳いてもらってもいい?」

貴音「……いいですよ」スッ

響「あっ……」

貴音「……気持ちいいですか? 響……」

響「……うん。すごく……」

貴音「……それはよかったです。それにしても……綺麗な髪ですね、響の髪は」

響「えへへ……こうみえて、結構ちゃんとお手入れしてるんだ」

貴音「……響も、お年頃の女の子ですものね」

響「……うん」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:09:02 ID:PIJa0xZ80
響「ねぇねぇたかね」

貴音「何ですか、響」

響「あのさ、頭……撫でてもらってもいい?」

貴音「……いいですよ」ナデリナデリ

響「ん、ふぅ……」

貴音「……気持ちいいですか? 響……」

響「……うん。なんか……とろけそう」

貴音「……響は、どちらかというと犬っぽい子だと思っていましたが……こうしていると、猫みたいですね」

響「……たかねの前でだけは……ね」

貴音「……とするとさしずめ、私専用の響ねこちゃん……と、いったところですか」

響「うん。そうなの……響ねこなの……」

貴音「……なんだか、美希みたいな口調になってますよ、響」

響「……そういえば、美希も猫っぽいよね」

貴音「そうですねぇ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:12:56 ID:PIJa0xZ80
響「ねぇねぇたかね」

貴音「何ですか、響」

響「あのさ、ちょっと体の向き……変えてもいい?」

貴音「……いいですよ」

響「えっと、じゃあこうやって……」モゾモゾ

貴音「…………」

響「……ん。これでよし、と」

貴音「響が横向きになって……なんだか、赤ちゃんを抱いているような構図になりましたね」

響「えへへ……今だけは、赤ちゃんでもいいんだ。だって今、ここには自分とたかねの二人しかいないんだから……」

貴音「まったく……本当に、仕方のない子ですね」ナデリナデリ

響「えへへ……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:15:34 ID:PIJa0xZ80
響「ねぇねぇたかね」

貴音「何ですか、響」

響「あのさ、このまま少しだけ……眠っても、いい?」

貴音「……それは別に、構いませんが……」

響「? どうか、したの?」

貴音「……いえ……」

響「何? たかね……」

貴音「実はその、先ほどから……なんというか、少し面妖な気配を感じているのです」

響「……えっ?」

貴音「具体的に言うと、あそこの、ロッカーの中から……」

響「……えっ? ……えっ?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:20:33 ID:PIJa0xZ80
響「いやいや、ロッカーって……あそこ、掃除用具とかが入ってるだけじゃ……」

貴音「…………」

響「じょ、冗談……だよね? たかね……」

貴音「―――そこの者」

響「!」

貴音「―――今すぐ投降すれば、命は保証しましょう」

響「い、命って……」

貴音「ですが、今から十数えるうちに私の説得に応じなければ……」

響「…………」

貴音「―――そのロッカーごと、一瞬にして、鉄屑に変えさせて頂きます」

響「…………」

貴音「十……」

ロッカー『ガタッ! ガタタッ!』

貴音・響「!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:25:55 ID:PIJa0xZ80
ロッカー『ガタッ! ガタタタッ……』

響「……え? ……え?」

貴音「……大丈夫ですよ、響」ギュッ

響「! た、たかね……」

貴音「たとえ何人が現れようと、あなたは私が守ります。……この、命に代えても」ギュウッ

響「たかねぇっ……!」

貴音「さあ曲者! その姿を現しなさい!」

ロッカー『ガタッ……ガタッ……』

響「…………!」

貴音「…………」

ロッカー『ガタッ……ガタッ……バン!』

響・貴音「!」

春香「……よ、呼ばれて飛び出て春香さん! いぇい!」

響「」

貴音「」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:32:28 ID:PIJa0xZ80
響「……は……るか……?」

貴音「……えっ、と……」

春香「あ、いやいや違うんですよ? これには深い深いふか~いワケがあってですね!」

響「…………」

貴音「……聞きましょうか」

春香「あ……ありがとうございます貴音さん! え、えっとですね、私さっき、ボーカルレッスンを終えて事務所に戻ってきたんですけど」

響「…………」

貴音「…………」

春香「そしたらたまたま誰もいなくてですね。ただ待ってるのも退屈だったので……」

響「…………」

貴音「…………」

春香「このロッカーの中に入ってですね、次に来た人を驚かそうという可愛い可愛いドッキリを思いついたんですよ!」

響「はい」

貴音「続きを」

春香「……はい」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:38:46 ID:PIJa0xZ80
春香「そ、それでですね。暫らく待ってたら貴音さんが来まして」

響「…………」

貴音「…………」

春香「あとは適当なタイミングで飛び出して驚かそう! ……と、思ってたんですけど」

響「…………」

貴音「…………」

春香「ほら、貴音さんってなかなか隙が無いじゃないですか。だからなかなか飛び出すタイミングがつかめなくて……」

響「…………」

貴音「…………」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:39:46 ID:PIJa0xZ80
春香「結局そうこうしているうちに響ちゃんが来ちゃって」

響「…………」

貴音「…………」

春香「そしたらもう、響ちゃんと貴音さん、二人しかいないのをいいことに、思う存分いちゃこらし始めちゃったわけですよ! いちゃこら!」

響「…………」

貴音「…………」

春香「あ、はいすいません調子乗りましたはい。お願いですからそのゴミを見るような目をやめて下さいお願いします」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:47:17 ID:PIJa0xZ80
春香「……とまあ、そういうわけで……ね? わかってくれました? これは不慮の事故だったんですよ、不慮の事故!」

貴音「…………」

響「……なあ、春香」

春香「え? 何? 響ちゃん」

響「……それ、別に、自分が来た時に出てこようと思えば出てこれたんじゃないか……?」

春香「え? いやそれはその、ほら、あれだよ」

響「…………」

春香「貴音さんと二人きりと知るや否や、いきなり貴音さんに甘えだす響ちゃんがあまりに可愛かったから、つい……最後まで眺めていたくなった、というか」

響「…………」

春香「はい」

響「はい」

春香「てへぺろ☆」

響「春香」スッ

春香「あ、あれなんで椅子から降りちゃうの響ちゃんもっと貴音さんといちゃこらしてもって何でこっちににじり寄って」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:52:16 ID:PIJa0xZ80
響「春香ー!!」

春香「うぎゃあ! って速!?」

響「逃げるなー!! 今すぐ消す! この十分間の記憶を!!」

春香「速い速い速いよ響ちゃん!! 何それ野生の本能!?」

貴音「…………」

貴音(やれやれ……)

貴音(まったく……まこと、騒々しきことです)

貴音(…………)

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/11 23:53:57 ID:PIJa0xZ80
貴音(……ですが……)

貴音(このような騒々しさの中に、心地よさを感じている自分がいるのもまた事実……)

貴音(人の心というものは……まこと、不思議なものですね……)

響「待て―春香! 今日という今日は絶対に許さないからなー!」

春香「うきゃー! だからごめんって! もう許して響ちゃーん!」

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